ル・コルビュジエの輝く理想都市を訪れた。

ル・コルビュジエ(本名シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ)のユニテ・ダビタシオンUnité d’Habitationはマルセイユにあるものが有名だが、ここサンテチエンヌのフィルミニFirminyにも1965年に建設されている。ル・コルビュジエは、人口が過密する近代都市において、高層ビルを建設してより多くのオープンスペースを確保しようとする理想都市を提唱したことでも知られる。モデュロールmodulorと呼ばれる人体の寸法と黄金比から導きだした基準寸法を用い、最小限ながら快適な住空間ユニットを組み合わせ、実用的かつ美しい集合住宅、ユニテ・ダビタシオンを生み出したのだ。フェルミニのル・コルビュジエ作品は、サンピエール教会、プール、競技場、文化会館、そして住宅(ユニテ・ダビタシオン)と、総合的な生活環境をデザインしている。ユニテ・ダビタシオン内には幼稚園もあり、ピロティはもちろん、テラスや屋上にも子供たちが遊び回れるようなスペースが確保されている。もちろん現在も住居として機能しているのでガイドツアーに申し込まなければ見学不可。まるで音楽を視覚化したようなリズムとメロディーを感じる水平連続窓や特徴的なスロープ、一見不規則に並んだように見える小さな窓から差し込む、息をのむような美しい光と影。必見です。
その日の夕食は、デザインコンシャスなココット料理の店。注文は自由に素材を選べるチェックボックス方式。どれだけ選んでも均一料金(サラダ+ココット13.9€)だけれど、よく考えて注文しないと、奇妙なごった煮になる可能性があるので、あまり欲張り過ぎないように。デザートにはフルーツのチョコレートフォンデュ(5.4€)もおすすめ。
サンテチエンヌといえば、もちろんサッカー!レ・ヴェール! 念願のサッカー観戦は、Chaudron(大鍋)のニックネームを持つ、 Stade Geffroy Guicard 。英国式といわれるこのスタジアムは、観客席が急勾配で上部の席でもフィールドが近く、コーナー部分に客席がないのが特徴。ASサンテチエンヌ(ASSE)はリーグ優勝10回を誇り、かつては「皇帝」プラティニも所属した名門チーム。08-09年は松井大輔選手が在籍していたことでご存知の方も多いだろう。この日は僅差で強豪がひしめくリーグ3位争いまっただ中の大事な試合。熱狂的なファン約2万2千人に後押しされて、サンテチエンヌが常にリード。前半コーナーキックからのチャンスに、ジャン=パスカル・ミニョがヘディングで先制点。さらに後半、ロングパスをつないでローラン・バトゥルがゴールを決め、一気に勢いづく。そしてバカリー・サコのスーパーシュート、とどめにマックス・グラデルがゴールを決め、リーグ上位につけていたレンヌに4-0の圧勝! 見事なチームプレーにスタジアム全体が揺れるような拍手喝采。もう完全にサンテチエンヌファンになってしまいました。試合後は迷わず併設のカフェテリアに直行して乾杯!(高)

紆余(うよ)曲折を経て2006年に竣工した サンピエール教会。

modulor

ココット料理の店

今年は公式サポーター、グリーン・エンジェルズの 発足20周年ということもあって、熱狂的に盛り上がる。
