パリ「ロマン派美術館」にもサンドの面影が。
画家で彫刻家のアリイ・シェフェールが1830年から58年まで暮らしたこの館には、サンド、ドラクラワ、ショパン、リスト、ディケンズなど、当代一流の文化人が出入りした。
1987年よりパリ市所有の美術館になったこの館には、19世紀ロマン主義の香り漂うサロンが再現されている。サンド自身の肖像画(表紙に出ています)はもちろん、サンドの祖先の肖像画、サンドの祖母が所有していたルイ15世時代のテーブル、繊細な細工が施された木製のアクセサリーボックスなど、作家が身の回りに置いていたものが飾られている。
隣の部屋のショーケースには、手書き原稿、サンドが自ら孫娘のオロールのためにつくったという首飾り、サンドがその祖母から受け継いだ指輪、ナポレオン公ジェロームから贈られたブレスレット、サンドの髪の毛のはいったメダイヨンなどが陳列されており、サンドの暮らしぶり、人間関係や当時の風習を今に伝えている。美術館内にはサンド自身が描いたという見事な風景画などもおさめられており、その多才ぶりに驚かされる。
サンドの孫娘オロールは、祖母から受け継いだ200ほどの遺品を1923年にパリ市に寄贈した。オブジェをひとつひとつ眺めているだけで、時間があっという間に過ぎていく。
フランス革命期から現代までのアートに造詣が深い インテリア・デザイナー、ジャック・ガルシアの 協力で再現されたサロン。
Vincente Santaolaria 『ノアンのジョルジュ・ サンドの寝室』
Eugène Lambert 『ノアンの台所』