数年前に、フェンネルやクミン風味の南国風サケのマリネを書いたことがあった。このサケのマリネ、元々はデンマークやスウェーデンなど北欧の名物料理。今回はそのオーソドックスなアネット風味です。このレシピ。カナル・プリュスの料理番組でおなじみのフレッド・シェスノーのレシピ集からとったもの。何度が作っているけれど失敗なし。秘けつはグラス1杯のウオッカ。これで一層なれた味になる。
サケは養殖サケの片身を切り分けたものpavéを、保存がきくので少なくとも1キロ、マリネといっても生食だから、〈Label Rouge〉で保証されているスコットランド産などを選ぶこと。といってもキロ25ユーロ前後。pavéは、きれいに腹骨はすいてあるが、中骨は残っているので、毛抜きを使って丁寧にとりのぞく。
次はマリナードの準備。ボウルに塩、同量の砂糖、コショウ、ベ・ローズbaie rose、細かくみじんに切ったアネット(一部は飾り用にとっておく)を入れ、混ぜ合わせる。
ラップを80センチくらいの長さに切る。その長さの半分の部分の中央に、ボウルで混ぜ合せたマリナードの半分を敷く。その上に、サケを皮の方を下にしておき、マリナードの残りをその上に置く。ウオッカを振りかけ、ラップでしっかりと包む。
サケを大皿にのせ、その上にサケを覆うことができる大きさのまな板などを置き、重しをのせる。大きな辞書一冊くらいの重さです。これを冷蔵庫に入れて72時間マリネするのだが、一日二度ほど引っくり返し、染み出た水はその度に捨てることが大切。
さあ72時間経った。ラップから出し、クッキングペーパーや布巾でぬぐいながら表面をきれいにする。これを刺身包丁などを使って、そぐようにしてできるだけ薄く切る。一片一片が重ならないように皿に並べ、アネットの葉、ベ・ローズ、レモンで飾り、生クリームを添えて食卓へ。ボクはこの一品にウオッカを飲む。(真)
サケの切り身1キロ、アネット2束、ウオッカ100cc、ベ・ローズ 大さじ1杯、くだいたコショウ大さじ1杯、砂糖大さじ4杯、塩大さじ4杯