集団芸術の楽しみに酔う「Usine de films amateurs (アマチュア映画工場)」

「このタイトルがいい人、手を挙げて!」
「このタイトルがいい人、手を挙げて!」
 フランス人という呪縛(じゅばく)を感じさせずに、映画の国をいとも軽やかに闊歩(かっぽ)するミシェル・ゴンドリー監督。彼の指揮のもと今年3月末までポンピドゥー・センターで開催していた企画は画期的。素人15人が3時間で一本の短編作りに挑戦する無料の映画制作アトリエだ。事前予約は締め切られていたが、筆者は当日参加枠を狙って受付で待つこと2時間、7歳の娘とともに滑り込み参加。メンバーは赤ちゃん連れカップル、中年カップル、仲良しおじさんチーム、個人参加の若者、10歳位の娘とパパ、そして私たち。
 まず最初の45分で映画のジャンル、タイトル、大枠のストーリーを決定。民主的に全員の意見が尊重される。次に衣装や小道具がある部屋へ。ここでも45分を使い各自担当する役や台詞、衣装を絞り込む。そしていよいよ撮影。1200m2の空間には、カフェ、地下鉄、サロン、キャンプ場など全体的に70年代風のセットが用意されている。撮影時間は1時間。編集なしが鉄則で時系列順の撮影だ。ポンピドゥーに来た一般客はセットを展示として鑑賞しているから、撮影中でも見学者がうようよいる。だが雑然とした雰囲気に見学者も同化してるから特に気にもならない。そもそも超早撮りなので恥ずかしがる暇もない。こうして駆け足で撮影を終えたら最後は上映室へ。みんなでできたてホヤホヤの作品を鑑賞。見知らぬ者同士が、最後にはすっかり笑いと一体感に包まれた。
 ただし後日メールで作品を送ってくれるということだったが送られてこないので、問い合わせても「諦めて」の返事。せっかく参加したのに二度と見られぬ幻の作品となったのは残念。とはいえカラオケに行くような気軽さで映画作りができると知ったことは「目から鱗(うろこ)」の体験であった。(瑞)
デジカメを回すカメラマンが監督役を兼ねる

デジカメを回すカメラマンが監督役を兼ねる


 

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