●2009年のAF事故機の遺体が見つかる
コシュースコ=モリゼ運輸相は4月4日、2009年にブラジル沖に墜落したエール・フランス
AF447
機の主要な機体部分が新たに発見され、その機内に遺体があることを確認したと明らかにした。機体と遺体の引上げ作業は3、4週間以内に行われる。事故原因
を調査している仏民間航空安全調査分析局BEAは3日に、海中に沈んだ機体部分の場所を特定したと発表した際、ブラックボックスを発見できる可能性が高
まったとしている。この事故ではフランス人72人を含む228人が死亡。原因は速度計(ピト)の不具合と考えられている。事故原因の捜査は継続されてお
り、3月末にはエアバスとAF社が法人として取調べを受けた。
●フランス、コートジボワールに軍事介入
フランスは4月4日、国連決議に
基づき、国連平和維持軍とともにコートジボワールへの軍事介入を開始した。同国では、2010年11月の大統領選挙以来、国際社会が承認したワタラ氏の当
選にバグボ前大統領派が抵抗して内戦状態に。6日と8日にはアビジャンのフランス大使館がバグボ大統領派によってロケット弾などの攻撃を受け、市民への攻
撃も激化していることから、国連・仏軍はバグボ派の居座る大統領府をミサイルで攻撃し、11日にバグボ前大統領を拘束した。今後、内戦状態の終結が待たれ
るが、同国に在留するフランス人1万2000人の安全は不透明な状況だ。6日時点で約400人のフランス人が国外に脱出し、約1000人が軍事基地に保護
されている(12日現在)。
●セゼール氏のフレスコ画、パンテオンに
4月6日、マルチニークの詩人・政治家、エメ・セゼール氏のフラスコ画がパンテオンでお披露目された。式典にはサルコジ大統領ほか政府閣僚、野党の重鎮
が出席。2008年4月17日に94歳で亡くなったセゼール氏は、文学運動「ネグリチュード(黒人性)」を率いた世界的に著名な詩人。フランスの植民地主
義を批判する同氏の姿勢に反発する向きもあったものの、パンテオンへの埋葬が決まったが、家族がマルチニークへの埋葬を希望したことから、同氏の生涯を描
いたフレスコ画と同氏の名前を刻んだ記念プレートを設置する折衷案に落ちついた。
●ボルロー前環境相、UMPを離党
ジャン=ルイ・ボル
ロー前環境相は4月7日、民衆運動連合(UMP)を離党すると明らかにした。ボルロー氏は2010年秋の内閣改造の際に首相就任が取り沙汰されていたが、
サルコジ大統領の移民政策や治安政策に同調しないためか、内閣から離れた。明言していないものの、急進党の党首として2012年の大統領選への出馬を目指
しているとみられている。現在はユネスコのフランス大使で、2010年12月に急進党に加わったラマ・ヤド前スポーツ閣外相も8日、UMPを離党したと発
表した。UMPは県議会選挙以来、内部対立が表面化しており、サルコジ大統領の求心力が弱まっている。
●ルノーのペラタ社長代理が辞任
4月11日、ルノーの産業スパイでっち上げ事件の責任を取って、パトリック・ペラタ社長代理らが辞職することが同社の取締役会で決まった。辞職するのはペ
ラタ氏のほか、レミ・パニ保安部長、クリスチャン・ユソン法務部長、ローランス・ドール事務局長ら重役4人に加え、詐欺容疑で逮捕されたドミニク・ジェヴ
レ保安部幹部ら2人。また、それぞれ240万〜340万ユーロの損害賠償を求めているとされている、スパイ容疑で解雇された幹部3人への損害賠償額が取締
役会で決まったが、その金額は明らかにされていない。事件に関与した重役のストックオプション益などが賠償金に充てられる予定だ。
●顔を隠すスカーフ禁止法、4月11日適用
ブルカなど顔を隠すスカーフをすべての公共の場で着用することを禁止する法律が4月11日から適用されている。対象となるのは顔を隠すスカーフ、覆面など
で、違反者には150ユーロの罰金、この種のスカーフ着用を強要した者には最高で禁固1年、3万ユーロの罰金(強要された人が未成年の場合は禁固2年、罰
金6万ユーロ)。内務省が3月31日に出した通達によると、警官は違反者のスカーフを取ることはできない。違反者が拒否した場合は、警察署に連行し、4時
間まで拘束できるが、被疑者拘留はできない。この法律は紛糾の末、2010年10月に国会で成立した。宗教上の理由で顔を隠すスカーフをつける女性はフラ
ンスに約2千人いるとみられる。