1971年4月5日、ヌーヴェル・オプセルヴァトワール誌に、シモーヌ・ド・ボーヴォワール、マルグリット・デュラス、カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソ
ワーズ・サガンなどの女性が「フランスでは100万人の女性が堕胎している。私もその一人であることを宣言する」という〈343人の呼びかけ〉を発表し、
人工中絶の自由化 avortement
libreを要求した。それから40年が経過したが、男女の平等度では、ロシアに次いでまだ46位と劣等生のフランス。この4月4日、リベラシオン紙に、
クリスチーヌ・オックレント、キャロル・ブーケ、クレール・シモン、ブリジット・フォンテーヌらが新たに〈343人の女性が「即座に平等を!」に参加す
る〉という誓約を発表した。
「(40年前)彼女たちは、女性たちが自分の肉体を思いのままにするという権利を要求した。あの呼びかけは男性に支
配されて曇っている空に、雷鳴のように響いた。(…)今は2011年4月5日。40年来、大きな進歩があった。女性たちは働き、責任を負い、闘争に参加
し、公衆の場で発言し、自分たちの生き方、性を選んでいる。それでいながら1971年同様、女性として生まれたというだけで、私たちの性を押し付けられ、
一生、副次的な役割に閉じ込められている。(…)
私たちは男性の給料や年金よりはるかに少ない額を受け取っている。ほとんどの家事を任されてい
る。そして絶えず、私たちの体、容ぼう、母という役割、といった私生活の範ちゅうに追いやられる。私たちの多くが、田舎に住んでいるだけで、経済的に恵ま
れない地区に住んでいるというだけで、病院が閉鎖されたというだけで、相変わらず、望んだ時に無料の人工中絶が受けられないでいる。(…)フランスでは毎
年7万5千人の女性が強かんされ、二日半に一人が、現在のあるいは以前の夫、恋人の暴力で殺されている。(…)私たちは家父長制による束縛で女性になった
が、もうたくさんだ。(…)
支配のメカニズムを理解し、それに疑問を抱くことができるような教育を、小さい時から行う必要がある。すべての女性が、自分の意に添いながら、無料の、そして恵まれた条件で、人工中絶ができるようになることを要求する」
そしてこの呼びかけは「私たちはお月さまを望んでいる訳ではない。平等であることを要求しているだけだ」で結ばれている。
チュニジアやエジプトのデモでも女性の闘う姿が目立った。フランスでも、他国や他宗教下の女性の条件を批判するかわりに、自国の女性の闘いに注目する必要があるようだ。(真)