1999年以来、安全上の理由からシートで覆われていたパリ6区のサン・シュルピス教会の北塔が、ようやく修復を終え、1月半ばにお披露目された。建築計画の相次ぐ変更のため、17世紀半ばから、なんと130年もかけて1870年に完成したこの教会は、翌1871年にプロシア軍の砲弾を受けて北塔に大きな損害を被った。その後の修復にもかかわらず、状態が悪化し続けたため、パリ市と文化省が今回の大規模な改修(2800万ユーロ)に踏み切ったわけだ。
修復不可能な石は取り替えられ、塔の上にある4福音者の像も損傷がひどかったため、型をとって新たに作り直された。大人の背丈ほどの5つの鐘も修復されてきれいに磨き上げられた。南塔が薄汚れて見えるのが少々残念ではあるが、長年見られなかった北塔の初々しい姿は目にまぶしいほどだ。(し)
5つの鐘も修復されてきれいに磨き上げられた。