スペイン南部、アンダルシア地方のカディス県にあるヘレスという町周辺で作られているスペイン産の食前酒がjerez(ヘレス)。フランスではx?r?s(クセレスあるいはケレス、ゼレスともいう)、英国ではsherry(シェリー)と呼ばれている。原料となるブドウはパロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテルの3種だが、ブドウの種類以上にこの地域独特の石灰分を多く含んだ土が大切だ、とされる。収穫されたブドウは、甘口のクセレスの場合、10数時間日干しされてから圧搾される。アルコール発酵が始まると、シェリー特有の酵母菌が現れ、これがシェリーならではの味を作っていく。熟成法によって〈フィノ〉や〈オロロソ〉などの種類があるが、薄い色調で辛口、繊細な味わいの〈フィノ〉がおすすめだ。食後酒としてもうまい。(真)