●Brune Blonde
この展覧会のポスターを見て、二つのことが頭に浮かんだ。まずは娘が大ファンのカトリーヌ・ドヌーヴ、そして娘たちの間で最近流行っているBlagues des Blondes(金髪にまつわるギャグ)のことだ。会場に入ると、雑誌の表紙になった金髪美女の代表選手ドヌーヴやマリリン・モンロー、ブリュネット代表のソフィア・ローレンやエマニュエル・べアール、そして正面のスクリーンでは映画『ギルダ』でリタ・ヘイワースが歌っている。わー凄い、銀幕の美女たち勢揃い!
「髪は女の命」というフレーズがシャンプーの宣伝で使われていたが、女性にとって髪は重要なアクセサリー。同じ顔でも髪型や髪の色が違うだけでまったく別人に変身できる。ヌーヴェル・ヴァーグ以前はロングヘアーが多かったけれど、ゴダールが『勝手にしやがれ』でジーン・セバーグをベリーショートにしてうなじを見せてから、映画の中での女性の髪型も変わったという。またトリュフォーやベルイマンは髪型よりも女性の「顔」を重視した。たしかに両監督の女優たちは髪をひっつめにしていることが多かったな、と思う。
ホークスの『紳士は金髪がお好き』の中でモンローが愚かな娘役を演じていた。どこか金髪=おばかさんという、娘たちが熱中する一連のギャグに似ている部分がある。これは金髪=美女をねたむ女性の深層心理なのだろうか…。カトリーヌにみとれる娘に質問してみた。「金髪の女優っておばかさんって印象がある?」。答えは「そうとは限らないけれど、金髪はきれいな女性にしか似合わないね」やっぱり。金髪美女は強いのだ。2011年1月16日迄。(海)
Cinémathèque française : 51 rue de Bercy
12e 01.7119.3333 www.cinematheque.fr
月-土12h-19h(木 -22h)、日10h-20h。
火休。4€-8€。