コサージュ作りの工房 — 生花のイミテーションを 超えた美しさ。

 パリ2区で可憐な花々を咲かし続けるルジュロン家の工房。「花」といっても職人が命を与える人工のお花で、身に付ける人に優しさと気品を添える「コサージュ作り」を生業とする。
 この創立130年の老舗を率いるのは、直系4代目のブリュノさん。彼の曽祖父から続く家業なのだ。「きっとお母さんのおなかの中にいた時から、この仕事を知っていたと思うよ」。仕事を親から強制された記憶は一切なく、気がつけば自分の天職として受け入れていたという。現在は19世紀来の職人技を、10人のスタッフに伝える日々を送る。
 ディオール、ソニア・リキエル、マーク・ジェイコブス。主な顧客は一流ブランド。主にショーや広告などでモデルがつける花を用意するのだが、これが全仕事の約8割に相当する。「デザイナーは頭がイカれた人ばっかり!  要望に応えるのは大変さ」。一方、残りの2割は個人客。ウェディング姿の花嫁を美しく引き立てるコサージュ作りは、今も定番のお仕事なのだ。
 さていよいよ作業の見学へ。作業は大きく五つの工程を経る。「apprêtage」 とは使用する布への糊入れ作業。「découpage」は花びらや葉の形をカットする作業。「teinture」は染色。「gaufrage」は押し型つけ。花びらにカーブをつけるなどし、自然さを加える。最後の「montage」とは、いわゆる花の組み立て作業。こうして完成に至る。
 ここであらためてブリュノさんの手によるコサージュに見入る。色鮮やかな花々は、生花のイミテーションにおさまらない美を放って咲きこぼれる。その表情の豊かさにハッとさせられる。「私は花作りのために本物の花を見たりはしません。真似ではなく、クリエーションのつもりです」(瑞)

●Atelier Boutique Legeron:
20 rue des Petits-Champs 2e 
01.4296.9489 
M° Pyramides 


コサージュ作り工房の4代目ブリュノさん。


ゼラチン入りの液体に布を浸して乾かす。布は固くなり花の形に
整えやすくなる。


葉っぱとなる布をカット中。


染色。花びらに微妙な陰影をつけていく。


組み立てられたコサージュを乾かします。


 

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