Le Bistrot T — 老舗ブラッスリーの実力を存分に発揮している。

 モンパルナス界隈。カンパーニュ・プルミエール通りといえば、映画『勝手にしやがれ』のラストシーンが撮影されたところ。さらには、フジタやアジェなどが暮らした通りでもあるのに、意外に殺風景な通りで、観光気分で訪れた人ががっかりするところだったのだが、ここに素晴らしいビストロができて、そんな印象もがらりと変わりそうだ。
 〈Bistro T〉のTとは、7区にある老舗ブラッスリー〈Thoumieux〉 のこと。ブラッスリー自体は、昨年秋にオーナーが変わり大きく様変わりしているが、ここは元〈トゥーミュー〉のスタッフが新たに始めたビストロなのだ。そんな老舗のこだわりがいたるところにある。中央の柱には、前菜、魚、臓物、肉料理別に本日のおすすめが並ぶ黒板が掲げられ、ポトフやブランダードなど日替り料理もあり。夜はアラカルトのみで予算は40€位だが、ランチなら2皿で18€、3皿で24€コースがあるので気軽に試せる。  
 前菜にとった牛テールは、ほぐした肉をテリーヌ状にし、そのひと切れをカリカリに焼いてあり絶品だ。手が込んでいるうえにボリュームもたっぷり。
 メインは、黒板メニューにあった、ラ・ロシェル産イシモチで大正解! イシモチの切り身の焼き加減もいいし、何より、添えられたリゾットがおいしく仕上がっていて、感動も2倍。友人のとった牛のオングレ(横隔膜)のステーキも、じっくり炒めたエシャロットが甘味を添えていて美味。私たちは、コート・デュ・ローヌの1/4ピシェ(6€)をとったが、飲み物の価格が高くないのも魅力だ。
 デザートには、迷わずブラッスリー時代からの名物、Thoumieutouchocola というチョコレートケーキを。編集部のフォンダンショコラ好きG氏も絶賛に違いない、圧倒的なおいしさで気に入った。
 以前からの常連客なのか、客層はムッシューが多いが、私たちもその仲間に入りたくなった。(里)
17bis  rue Campagne Première 14e  01.4320 .7927 
M° Raspail   日・月休。