日本とフランスの自動車文化の違いについての神髄をプロの口から聞きたくて、パリ南西シュレンヌ市にある、外国人対象のauto-école(自動車教習所)〈Fehrenbach International Driving School〉*へ。
オーナーのフェーレンバックさんは、1970年にこの地でauto-écoleをスタート。もともと外国人とのコミュニケーションが大好きで英語が堪能だったことから、1978年から外国人向けのサービスも開始した。もともと親日家だったが、1990年に日本人が入校したことをきっかけに、日本人にも運転を教えようと思い立ち、独学で日本語を猛勉強。今では片言ながらも車を運転する上で必要な日本語はすべてマスターしている。
「運転免許証を取得するためには、フランスでは専門の機関へ行って、35分の実技テストとペーパーテストを受け、それに合格しなくてはいけません。実技の合格率は50%、ペーパーテストは80%と結構難しいものです。そこで最初はプライベートの教習所で20時間(義務)の実技レッスンを受けてもらうのがふつうです。ペーパーテスト対策の道路交通法についてのレッスンは、希望があれば行いますが、基本的には本やDVDで自習してもらっています。本試験のテストは手書きのテストではなく、DVDに沿ってリモコンを使って行われるので、リモコンの使い方のテスト対策の指導は行います。リモコンの使い方を間違えるとそれでテストに落ちてしまいます」
「日本人の教習生は、駐在の方やその家族、結婚して来られた方など様々。国際免許を持たれている方向けに2、3時間のフランス道交法の説明の教習も行っています。日本とフランスは優先順位が正反対。最初は本当に気をつけなくてはいけません!」(和)
*53 bd Henri-Sellier 92150 Suresnes 01 45 06 31 17
このインタビュー、676号に続きます。