全地域圏がバラ色 に。

 6年毎の地域圏選挙が3月14日、21日に行われた。第1回、2回投票とも棄権率は過去最高それぞれ53.63%と49%、大都市郊外の市では75~85%を記録。この高い棄権率を有権者の政治、地域行政に対する無関心の高まりとはとらず、何にでも大見得を切るサルコジ大統領への反発、制裁の意思表示とみるのが一般的だ。
 04年選挙で社会党が本土22地域圏のうちアルザスとコルスを除く20地域圏を制覇しており、今選挙で左派が、26年間与党が統治してきたコルスを奪い、右派はアルザスと海外県ギアナとレユニオンを辛うじて固守。決選で左派は54.1%、与党35.4%、極右国民戦線党(Front National)が9.4%を獲得。地域圏選挙では大多数派が25%増の議席を得られるから、当選左派が地域圏議会を支配することになる。
 激しい地域圏争奪戦の中で注目をあびたのは、昨年欧州議員選挙でフランスに初めて登場した欧州エコロジー派(代表ダニエル・コンバンディッド)のナンバー2、セシル・デュフロ候補リストがイル・ド・フランス地域圏で 20.6%(平均12.5%)を得、第3勢力にのし上がり、2極政治に割り込んだこと。決選では大多数の地域で社会党と連合し軒並みに与党候補を倒す。
 もう一つは、昨年まで消滅寸前だったFNが驚異的カムバックをなしたこと。FNは12地域圏で与野党との三つどもえの戦線を張り、決選で党首ルペン(81)はプロヴァンス・アルザス・コートダジュールPACA地域圏で23%、娘マリーヌはノール・パ・ド・カレ地域圏で22%を獲得。FNは、サルコジ大統領とベッソン移民相が掲げた国家アイデンティティ論を借用し、得意の移民・治安問題を絡ませ、大統領に幻滅した民衆の心をつかむ。FNは、07年大統領選でサルコジ候補が奪ったルペン支持票を取り返し、父・娘・孫娘が一丸となり勢力を挽回。
 社会党候補の勝利のなかで際立つのは、ポワトゥ・シャラント地域圏議長セゴレーヌ・ロワイヤル前大統領候補が61%で再選という無敵優勢ぶり。またラングドック・ルシヨン地域圏議会ジョルジュ・フレッシュ議長(71)が差別的放言沙汰で党から除名されたにもかかわらず堂々と54%(社党公認リスト8%)獲得し英雄顔で再選。この2例だけでも国選議員と地域圏議員との違いを示していよう。社会党幹部やオブリ第一書記に白目で見られようがロワイヤル議長は地域圏を守るジャンヌ・ダルクのよう。フレッシュ議長は地元ではカリスマ的大物でとおっている。地方で彼らがなぜ強いかというと、70年代以降、左派系NGOやボランティア組織が根を張っていることと、工場や企業の倒産防止のための地域圏議会の経済援助などで住民との関係が深いからだろう。国政で与党に対立する社会党と地方行政を司る社会党。社会党の二重構造が浮かび上がってくるのである。(君)

写真:3月22日付リベラシオン紙。