フランス人の手は、口ほどにものを言う。

 日本人よりもはるかに大きなボディランゲージで会話し、愛を語るフランス人たち。このもう一つの言葉ともいえるボディランゲージに欠かせないのが「手」。手は口ほどにものを言うといってもいいくらいに、フランス人にとっては感情を表すのに大切な表現手段だ。こめかみのところで人差し指をくるくるっと回せば「もっと考えろよ」、親指を立てれば「ブラボー!」、人差し指と中指を交差させれば「グッドチャンス!」、親指と、残りの4本の指を上にして、開けたり閉めたりすれば「静かにして!」、胸にゆっくりと手を当てれば親愛の情、という具合。ブルゴーニュ地方ではブドウの収穫を祝う歌をみんなで歌う時、「ラララ~」と歌いながら、手のひらをひらひらさせるのだが、それはワインの入った瓶を持って灯りに照らし「でき」を確かめるしぐさで、 それが手でうまくできなかったらその年は良いブドウに恵まれないという意味合いまであるのだという。
 ところで日本人はフランス人より手先が器用とよく言われるけれど、どうしてどうして、芸術、家具、道具、モード、エステなど、手を使う職種で発祥地がフランスというのが意外にも多いのは驚きだ。たとえば、あまり知られていないが、バイオリンなど弦楽器に使用する弓も、200年前から相変わらずフランス人の手によるものがほとんどなのだ。
 フランス人の手の形といえば、日本人同様さまざまだが、指は日本人より長い。また身体はぽっちゃりしていても、日本人と違って手までがぽってりしているというのは少ないように思われる。また手のひらが分厚い人でもそれが固めの人が多く、指先は角ばった形が多い。 
 さて、手のひらといえば、日本人はすぐに手相を考えてしまうが、フランス人はこれまで関心のない人がほとんどだった。最近、通りで手相を見ているジプシーとおぼしき女性の姿を見かけた。これから少しずつ手相への関心が深まっていくかもしれない。(有)