週末の公園は子供たちであふれかえっている。それもそのはず、子供を産み育てる環境が整っているフランスの出生率は2.02と、アイルランドと並んで欧州でもトップクラス。妊娠中の医療費や出産費用は、条件さえ満たせば基本的に医療保険でカバーされ、出産準備金、育児休暇、家族手当等々…多岐にわたってしっかりと支援してくれるから心強い。
しかしこれらの手当、手続きや書類送付を期限内に決められた機関に対して行わなければ、手当が減ったり、もらえなくなることもあるから気をつけて。面倒だけれど、ひとつずつきちんとこなしましょう。そうそう、ホームドクター(médcin traitant)を選んで申告していない人は、妊娠は通常の疾病と扱いが違うものの、医療保険の払い戻しベースに差が出てくるので直ちに申告しよう。
妊婦生活最初の一歩は婦人科医の診察を受けること。ここで今後必要となる検査や最初のエコグラフィーの処方箋、また、感染症への予防リストなどの書類を何枚ももらう。一枚一枚とても大切なので紛失しないよう専用のファイルにまとめておくと、後々も便利だろう。また検査結果などは受診時に毎回持参する必要がある。フランスは医療が分業なので、婦人科でリストをもらえる場合もあるが、各種検査をするラボラトリーやエコグラフィー専門医などは基本的に各自で探す必要がある。その際、特にエコグラフィー は予約時に費用の確認を怠らぬように。
産院の予約もできるだけ早く取り付ける。中には、まだ妊娠もしていないのにいくつもの産院で予約だけとっている人もいると聞く。それほどどこも込み合っているのだ。産院はおおまかに、設備が整っている公立(hôpital)とパーソナルな要求が満たされる私立(clinique)に分けられる。公立は費用の前払いの必要がなく、それぞれの機関が医療設備レベルを示す1、2、3に分けられる。選択の基準は、中期以降定期的に通うことや緊急時を考えて、自宅からあまり遠くなく、帝王切開率が低いなどの方針に賛同できること、などが挙げられるだろう。(凛)