OVNI では比較的安くておいしいレストランを紹介しているが、それでもレストランでの出費が二度三度続くと決してバカにならない額になる。とはいえ、惣菜のテイクアウトやファーストフードではちょっと寂しいという時に、気軽に贅沢が味わえるのが、人気レストランのシェフが準備してくれる「ピクニックバスケット Panier de pique-nique」だ。アンドレ・シトロエン公園のすぐ近くの「La Cave de l’Os à Moelle 」と、北駅の横で、ブルターニュ料理で定評ある「Chez Michel」のピクニックバスケットを試してみた。
「ロス・ア・モワル」は、前菜のビュッフェ、日替りのメイン、デザートビュッフェから、自身で好きなように皿に盛って、それぞれのテーブルで食べるという〈ターブル・ドット〉方式を実施しているレストラン。向かいも横のテーブルもみんな同じ料理を食べることになるから、親近感ある、和気あいあいとした雰囲気が素敵な店だ。ここでのピクニックバスケットは、内容も価格も1人前22.50 €と店内で食べるのと同じ。残念ながらワインが別料金なのも一緒だ。
ピクニックバスケットを頼む場合は、事前に電話1本入れておくと、スムーズ。タイやインドで見かけるステンレスの3 重のお弁当箱を渡してくれるので、ここに好きなように前菜やメインの料理、デザートを詰めるだけ。前菜は、田舎風やブーダンのテリーヌ、鴨のリエットや各種生野菜、この日のメインは子豚のオリーブ煮。シェーブルなどのフレッシュチーズも好きなだけ確保。デザートは、ライスプディング、ナシのクランブル、ブルターニュ風ファールなどなど。さらに日替りスープ入りの水筒と、田舎パンがつく。食器やナプキン、塩コショウなども入った大きなピクニックバッグに入れて渡してくれる。攻略法としては、例えば2 人前注文するなら、1人前ずつ詰め込まずに、重箱に詰める容量で、1つの容器に、生野菜だけ、パテ類だけときっちり詰め込むのがいい。どっちにしろ取り分けて食べることができるし、こうすると、残ったものも後で食べることができて無駄がない。きっちり詰め込んだら、3人から4人くらいはゆうに食べられる量になるので、最初っからそれをもくろんでもいいかも。重量はかなりのものになるので、移動には、車か自転車などがあったほうが便利だ。
La Cave de l’Os à Moelle :
181 rue de Lourmel 15e
M° Lourmel Tél : 01.4557.2828 月休
「シェ・ミシェル」のピクニックバスケットは、2人前からオーダーできて43€ 。レストランで供される32 € コースから、持ち運び可能な料理に限り、前菜+メイン+デザートから1品ずつ計6品チョイスでき、これに田舎パン、チーズ、果物、菓子、そしてワイン1本も料金に含まれるので、お得感は断然こちらに軍配が上がる。友人と私は、前菜にブルターニュ産イワシのマリネオリーブオイル漬けトマトのタルタル添えと子豚すね肉のプレッセフォアグラ風味、メインに干しダラのブランダードと牛ほほ肉とフダンソウのスープ煮を、デザートには特製パリブレストと、クイン・アマンを注文。これらが、プラスチックまたはアルミ容器に入れられ、紙袋に入れて渡される。攻略法としては、事前にメニューをチェックしてから、予約注文すればスムーズ。当日はナイフやフォーク、コルク抜きやコップ、紙ナプキンなどを自前で用意すること。
「ロス・ア・モワル」は、食器やナプキンまですべて用意してくれるのはいいが、重いのと後で必ず返しに行かなければいけないのが玉にきず、「シェ・ミシェル」は、自分でナイフやフォークなどを持参しなければいけないので面倒といえば面倒。どちらかを選ぶのに困ったら? 屋外または自宅での〈ピクニック〉を平日にするなら「シェ・ミシェル」、週末なら「ロス・ア・モワル」で決まり!(里)
Chez Michel :
10 rue de Belzunce 10e
M°Gare du Nord Tél : 01.4453.0620 土日・月昼休