●3嬰児殺しの母親に禁固8年
1999年、2002年、03年に自分で産んだ3人の嬰児を殺し、うち1人の遺体を焼き、残り2人を冷凍庫に遺棄したヴェロニック・クルジョ被告(41)に6月18日、禁固8年の判決が下った。06年、夫、息子2人とともに住んでいた韓国で、夫が冷凍庫の2遺体を発見して通報。夫も共犯の疑いをかけられたが、関与は否定された。被告には現在14歳と12歳の息子がおり、父親(夫)とともに母親を擁護している。被告側弁護士は息子たちのために被告の釈放を訴えたが、陪審は禁固刑を下した。
●ブルカ規制の是非で論争起こる
イスラム教徒の女性が全身をおおうブルカや、目だけ残して頭部全体をおおうニカブについて、フランス国内での着用実態に関する調査委員会を国会に設置する提案が、アンドレ・ゲラン国民議会議員(共産党)によって出された。ブルカなどを女性の人権を奪うものとして規制を強化する意図を持つこの提案に左右両派の議員60人が賛同。フランスでは学校、役所などで信教の印を身に着けることを禁止する法律がすでに2004年に施行されており、ベッソン移民担当相は6月19日、現行法に加えてブルカ着用を規制する措置を設けることに反対の姿勢を明らかにした。
●AF447便の11遺体の身元確認
6月1日にエール・フランス(AF)447便(エアバスA330)が墜落したとされるブラジル沖の海域から回収された50遺体のうち、11の遺体の身元が判明した。21日ブラジル当局によると、ブラジル人の男女5人ずつと外国人男性が1人。遺体は焼けておらず、爆発の可能性は少なくなった。遺体がお互い離れた場所から見つかり、海水を飲んでいなかったことから、447便は空中分解したとみられる。ブラックボックスは未発見。なお、事故原因である可能性が指摘されているA330、A340機種の3種の速度計のうち2種をすべて交換したと、AFは15日に発表した。
●パリ15区の小学生22人が新型インフル
6月21日、パリ15区の小学校で同じクラスの児童7人が新型インフルエンザH1N1(豚インフル)に感染していたことがわかった。このクラスは12日に英国への修学旅行から帰ったばかり。その後、同小学校で計21人、隣接する幼稚園で2人、さらに近くの別の小学校で1人が感染していることが22日までにわかった。また、トゥールーズ郊外の中学の生徒16人が感染していることが18日までに判明。じわじわと感染が広がっている。
●病院・医療改革法案、最終成立
医療関係者の強い抗議にあった病院・医療改革法案が、6月23日に国民議会で、24日に上院で可決され、最終成立した。この改革によって、公立病院の理事長の権限が強化される。また、医師過密地域から医師過疎地域に2013年から医師を短期間、強制的に派遣する措置(拒否の場合は罰金3000ユーロ)、過疎地域に開業する医学生への奨学金設置が盛り込まれた。さらに地域圏内の病院や医師の連携を強化するために地域圏健康局ARSが新設される。しかし、規定額を大幅に超える診察料の規制や貧困層向けの普遍健康保険CMUの患者を拒否する医師への罰則は見送られた。
●新顔8人の内閣大改造
欧州議会選後に予定されていた内閣改造が6月23日夜、発表された。欧州議員当選のために辞任するバルニエ農相、ダチ法相の後任はそれぞれブルーノ・ルメール欧州問題担当相、アリオ=マリ内相。内相の後任にはオルトフ社会問題相。大学改革で批判の矢面に立ったダルコス教育相は労働・家族・連帯相になり、後任はリュック・シャテル産業担当相。大統領に批判的な中道MoDemからはミシェル・メルシエ氏が国土整備相として入閣した(直後に離党)。インターネット法案で失敗して内閣を去るアルバネル文化相の後任には、故ミッテラン元大統領の甥で作家・映画監督のフレデリック・ミッテラン氏が就任。ラガルド経済相、ボルロー環境・持続可能開発相、モラン国防相、バシュロ厚生相らは変わらないものの、予想より大規模な改造。
「サルコジ、ミッテランを巻き込む」と題された6月24日付パリジャン紙の表紙。