Maria Luisa — 店員の笑顔がこぼれ、客の心が躍るピッツェリア。

 サンマルタン運河近く、Marie et Louise通りをそのままイタリア名にした、ここ〈Maria Luisa〉は、パスタも肉魚料理もない、ピザだけで勝負する潔さが小気味よく、Pizzeriaと呼ぶにふさわしい。ナポリ出身のシェフ、ベネチア出身のピッツァイオーロ(ピザ職人)が腕を振るい、連日満席の繁盛ぶり。シンプルながらも洗練されたインテリアの店内を明るく見せる大きなテラスが、この季節ならねらいめだ。
 前菜はinsalata primavera(12€)、たっぷりの新鮮なルッコラに、トマトのコンフィ、パルメザン、パルマ産生ハムが贅沢にあしらわれ、とろみのあるイチジク風味のバルサミコソースがかかっている。イチジクの濃厚な甘さとバルサミコの酸味、トマトの旨味が凝縮されたコンフィとほんのり苦いルッコラが混ざり合わさって、至福のひととき。次にくるピザへの期待が高まるというもの。
 皿いっぱいのピザが運ばれてくる。やってきたのは、「サラミピカンテ、リコッタチーズ、キノコ、赤ピーマンが具材。すっごくおいしいよ!」と、笑顔の気持ちいい店員さんにすすめられるがままに頼んだ本日のピザ(15€)。窯でグリルしたピーマンは溶けるように柔らかく、びっくりするほど甘い。その濃い甘さが優しい味わいのリコッタと完璧なまでに調和し、言うも言われぬまったりとした味になる。それを引き締めるのがサラミピカンテ。そのおいしさたるや絶妙で、もはや会話も忘れ、ただただため息ばかりが漏れる。もう一つは定番商品で「悪魔」を意味するdiavola(13€)。辛みのあるソーシソンがふんだんに乗っていて、深みのあるトマトソースの甘さとのバランスが最高。ピザ生地も、さくっとしていて重すぎず、それでいて薄っぺらくもなく、「こうでなくっちゃ」と言いたくなるちょうど良さ。
 満腹すぎてデザートは泣く泣く断念。横目で隣のムッシューのティラミスをちらり。食い意地の張った二人には刺激の強い、恐るべし〈Maria Luisa〉!(み)
2 rue Marie et Louise 10e  01.4484.0401
M°République/Goncourt 日夜休。