人間に自然にそなわっている体内時計の活性には太陽などの光の存在がとても重要。朝日などの明るい光を浴びると自律神経中の交感神経が刺激され、すっきりとした目覚めが得られる。逆に日没はメラトニンを分泌させ睡眠を促し体はオフモードへ。夜遅くまでテレビやパソコンなどの強い光に照らされていては、体内時計が狂い昼夜逆転なんてことも。太陽サイクル通りの生活はなかなか難しいが、朝日や夕日を思わせるライトを生活に取り入れることでリズムを作り出すことは可能だ。
グラフィックデザイナーのギヨーム君も多分にもれず思いっきり現代っ子な生活を送っている。仕事の納期が迫れば丸2日間パソコンにかじりついての徹夜は当たり前、休みはたいがい深夜までDVD鑑賞かネットサーフ…。そんな彼が「最近疲れているのにぐっすり眠れない」と訴えてきた。その生活スタイルを考え直すことだと叱咤(しった)しつつ、ライトの使い方についてアドバイス。
ハロゲンランプは局部的に強く白い光が必要な時には効果的だが「くつろぎ」は期待できないので、夕暮れ以降は使用しない。代わって和紙と竹を使った「あかり」の導入をすすめた。イサム・ノグチの「本物」では値が張るので、Habitatなどで比較的安価で購入できるものを利用する。提灯をヒントに作成されたこの「あかり」、和紙はほどよく光を分散し部屋全体に柔らかく暖かい光を与えるのでリラックス効果抜群だ。さて「あかり」のとりことなったギヨーム君、生活リズムは改善されたのだろうか。(凛)