12月27日から続くイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの空爆に抗議するデモが、1月3日パリであり、2万5000人が参加した。1月11日の抗議デモには、主催者側の発表によると10万人が参加。
●医療ミス、救患放置で病院への信頼失墜
クリスマスから年始にかけて病院スタッフが手薄になる時期に不祥事が続いた。12月24日、喉峡炎のためパリのサンヴァンサン・ド・ポール病院で診察4を受けた3歳の男児が、看護婦が点滴液を間違えたために死亡。1月2日にはイヴリーヌ県の病院で点滴液の量を間違えられた6カ月の乳児が死亡。また、12月28日には、エッソンヌ県マッシーで呼吸困難に陥った男性(57)の受け入れ先がなく、6時間後にパリの病院に収容されたときは死亡していた。救急医組合は12月30日、経費節減策によって年末年始の時期は休みをとる医師や看護師の補充をする費用がなく、イル・ド・フランス地方では患者の安全を確保できないと、保健相を批判。これに対し、保健相は28日当日には11床の空きがあったと発言して対抗した。
●パリ=ダカール、ブエノスアイレス出発
世界一過酷なモーターレースといわれる〈パリ・ダカールラリー〉は1月3日、アルゼンチンのブエノスアイレスで幕を切った。チリのアタカマ砂漠やアンデス山脈越えなど厳しいコースで、18日にブエノスアイレスで終了する。6日には、第2ステージから行方不明になっていたフランス人オートバイライダー、パスカル・テリーさん(49)が遺体で発見された。死因は明らかになっていない。このラリーはアフリカで行われていたが、2008年にテロの危険のために中止された。
●サルコジ大統領、中東歴訪は不調に
イスラエルのガザ攻撃を受けて、サルコジ大統領は1月5、6日の両日、中東諸国を駆け足で歴訪した。5日にはエジプトのムバラク大統領、パレスチナ自治政府のアッバス議長、さらにイスラエルのオルメルト暫定首相と会談。6日はシリアのアサド大統領、レバノンのスレイマン大統領と会談した。サルコジ大統領はこの歴訪で、停戦に向けた合意を取りまとめたい意向だったが、イスラエルは強硬姿勢を崩さず、ハマスに圧力をかけるよう要請した。シリアはイスラエルの攻撃非難に終始するなど、具体的な成果は得られなかった。
●ロシアのガス供給停止、欧州諸国に影響
ロシアがウクライナ経由欧州向け天然ガスの供給を1月7日に停止したために、同国経由でロシアのガスを輸入している欧州諸国でのガス供給に影響が出始めている。ロシアは8日、EU諸国向けのガス配給を監視するためのEU調査団のウクライナ入りに同意した。ロシアは価格や支払い遅延をめぐっての対立からウクライナ向けガス供給を1日に停止。さらに、同国が欧州向けガスを盗んでいるとして、7日には欧州向けガスも停止した。ロシアのガス供給に依存している東欧諸国ではガス供給不安が懸念される。フランスのガス供給は15%がウクライナ経由のロシアのガス。
●サルコジ大統領、予審判事廃止の意向
サルコジ大統領は1月7日、重大な犯罪や政治家絡みの刑事事件の捜査を指揮する予審判事を廃止して、捜査を全面的に検察に委ねる方針を明らかにした。さらに、容疑者の弁護士が捜査の初期段階で捜査書類を閲覧できるようにするとした。これは、ウトロー事件(幼児性愛事件)で予審判事一人の判断で無実の人たちが長期間勾留された問題などを受けて進められている司法制度改革案の一環。しかし、独立した予審判事でなく、法務省に属する検察の司法官が捜査を指揮することになると、司法の独立性が弱まる可能性があるため、野党や法曹界から強い反発が起きている。
●内閣ミニ改造で、オルトフ氏、労働相に
ベルトラン労働相の民衆運動連合UMPの書記長就任(正式就任は1月24日)を受けて、その後任にサルコジ大統領の側近、オルトフ移民担当相が就任することが1月7日明らかになった。移民相後任は元社会党幹部、エリック・ベッソン未来展望閣外相。またベッソン氏はUMPの書記長補佐にも就任する予定。