Canard a l’orange
友だちから、カモのオレンジソース添えの作り方を教えて、と頼まれた。といってもトゥールダルジャンの真似はできないから(食べたこともないしね…)、ボクが友人が来た時などに作る、意外と簡単なレシピです。オレンジの甘酸っぱさがカモの肉の、ちょっと野性的な味によく合います。カモは丸ごと焼いたりすると食卓で裁いて取り分けるのが大変なので、4人分として400グラムくらいの胸肉magret de canardを2枚買ってくる。
まずオレンジ風味のソースを準備する。オレンジ3個を搾って、こして、鍋にとる。砂糖大さじ2杯も加え、中弱火にかけて煮詰めていく。ボクはシナモン1本も加えることにしている。量が1/4くらいになってシロップ状になったら火を止める。次はルー作り。厚い小鍋にバター大さじ1杯をとって弱火にかけ、溶けたら同量の小麦粉を加え、木のヘラで混ぜ合わせながら、薄い褐色になるまで火を通す。火から下ろし、濃いめのトリガラのスープをカップ1杯強加え、泡立て器で勢いよく混ぜ合わせれば、とろりとしたルーroux blondが完成。これに煮詰めておいたオレンジジュースを混ぜ入れれば極上のオレンジソース。
カモの胸肉の皮の方に、鋭利なナイフで深めに2センチ幅の碁盤目を入れ、フライパンを中弱火にかけて、皮を下にして重ならないように置く。面白いように脂が溶け出してくるから、途中で何回かこの脂をとり除く。10分もすると皮がかりっと焼き上がる。ここでひっくり返して、胸肉の厚さ次第で8分から10分ほど焼くと、中心部がバラ色の素晴らしい焼き具合になっているはずだ。アルミホイルに包んで冷めないようにしておく。
フライパンの脂を捨て、そこへ水あるいは白ワイン少々を注いで、肉のうま味を溶け込ませ、用意しておいたオレンジソースに混ぜ入れ、塩、コショウで味を調える。
薄く切り分けた胸肉を、熱くしておいた皿に扇状に並べて、ソースをたっぷりと周りに注ぐ。付け合わせはカブのバター煮とかジャガイモのグラタンがいいだろう。ワインはブルゴーニュの極上の赤を気張りたい。(真)
400グラム前後のカモの胸肉2枚、オレンジ3個、シナモン1本、バター、小麦粉、砂糖、トリガラのスープ250cc、塩、コショウ