引越PRATIQUE
引越し遂行カレンダー
家財道具や荷物をまとめて搬送するだけでも大変なのに、煩雑な手続きも伴う引越し。早めにできることはなるべくしておき、あせらずマイペースで進めよう。(し)
3カ月前
■ 賃貸契約解約の通知
受取通知付書留(lettre recommandée avec Avis de Réception)で、家主に賃貸契約の解約(donner congé)を通知する。転勤・失業による引越し、家具付住居なら1カ月前でOK。持ちアパートを売却しての引越しなら、管理組合(syndic)に退会届を出す。
2カ月前
■ 不要物処分
不要なものを処分する(物置も忘れず)。粗大ゴミはmairieに連絡して取りに来てもらう。
■ 転校手続き
子供を転所・転校させる場合は、保育所、幼稚園、学校に転校の旨を連絡して退校証明(certificat de radiation/de sortie)をもらい、引越し先の市町村(幼稚園・小学校)、大学区本部rectorat d’académie(中学・高校)に連絡して転校先を決める。
■ 引越し業者選び
引越し業者に頼む場合は、複数の業者に見積りをとる(無料)。梱包までまかせる、梱包は自分でやるなどいくつかのformuleがあるので、予算に応じて選ぼう。家具が引越しで傷ついた場合の賠償保険の内容もチェック要。学校休暇中や6月と9月、週末は混むのでなるべく避け、早めに予約を。
*引越し業者は引越し業者組合会議所(Chambre Syndicale de Déménagement : CSD )に所属している業者、あるいはAssociation française de normalisation ( AFNOR )が発行する〈NF services〉ラベルを持つ業者(www.afnor.fr)に頼むのが無難。
1カ月前
■ 助っ人確保、保険確認
自力で引越しする場合は、手伝ってもらえそうな友人に連絡。引越しの際のケガ、引越し荷物の損害になどについて住居保険が利くかどうかを確認(contrat multirisque habitationには通常、第3者への損害に対する民事責任responsabilité civile familialeも含まれる)。
■ 1~2日の休暇願いを職場に出す。
■ 自分で梱包する場合は、 ダンボール箱を集める。 引越しキットを買っても便利。
■ 引越し手当の受給資格者は手続きをとる(住宅手当受給者で3人目以上の子供の妊娠3カ月から出産後2年までに引越す場合。詳しくは家族手当公庫CAFに)。
■ 引越し先での家具の置き方を決めておき、不用になるものは処分し、新しく買い換えるものを決めておく。
2週間前
■ 当面必要のないものから荷造り(本、季節外の衣類、おもちゃ、使わない食器類など)
■ 冷凍庫のなかのものを使い切る。
1週間前
■ 電気・水・電話などの解約
EDF:引越し先の電気供給が停止している場合は5日前に新規契約の連絡を取る(このケースは稀)。引越し当日、電気をもう使わない段階で、請求書に記された電話番号に連絡して解約を告げ、メーターの数字を伝える。引越し後は新住所と前住者の氏名、メーターの数字を電話で伝えるだけで新契約が成立(24ユーロ)し、電気が使える。
GDF:引越し先のガスが使えるようになるのに時間がかかるので、1週間前には引越しの旨を連絡する。引越し前日には解約の連絡をし、当日の検針(relevé des compteurs)のアポを取る。解約は無料、引越し先の新規契約は15ユーロ。
水道:解約、新規契約、検針のアポ取り(アパートは不要)。
電話:フランステレコムの場合は、原則として即日電話で解約でき、引越し先に電話線が引いてあれば前住者の名前を伝えるだけで電話開通(この新規契約費用は55ユーロ)。引越し先に電話線があるかを事前に確認。その他の電話会社は新住所を伝えるだけでOK。
ケーブルテレビ・衛星テレビ&インターネット:新住所を連絡。ただし新住所でサービスが使えるまでに日数がかかることもあるので、事前に確認要。
郵便:引越し5日以上前に転送手続き(demande de réexpédition)を。 6カ月で22ユーロ。
その他:自動車・住居保険、国民健康保険(セキュ)、ミュチュエル、家族手当公庫、年金公庫などにも住所変更届けをお忘れなく。これは引越し後でもOK。保険会社への住所変更通知は受取通知付書留で。
銀行:支店を変える場合は、変更手続きを。その際、すべての銀行自動引き落とし先に口座情報の変更を連絡。支店を変えない場合も、支店に住所の変更を通知する。
■ 当面必要なものだけを残して、ほぼ荷造りを完了させておこう。
■ 管理人や隣人に引越し日を伝えておく(エレ使用や引越しに伴う騒音などを予告)。
■ 友人に応援を頼む場合は、友人に日時の確認連絡。ランチ(レストラン予約あるいは軽食、飲み物、使い捨ての皿・コップ・フォーク、栓抜きなどを用意)の手配。
■ 大家と現状確認(état de lieu)のアポを確認。
■ 自力引越しの場合、引越し先の路上に駐車できるかどうかを確認し、必要な場合はmairieに駐車願いを出す(パリの場合は警察署commissariat。有料)。
引越し前々日~前日
■ 壁につけてある棚などをはずす。
■ 家具をばらす場合は、家具ごとにネジなどを封筒に入れて家具の名前を書いておく。
■ 冷蔵庫の電源を抜いて中のものを処分または出す。
■ 身分証明書、カード、現金、宝石、携帯電話、カギなどはひとまとめにしておく(当日、身に付けられるように)。
■ 引越し後にそうじができるよう、掃除道具、洗剤などは別にしておく。
引越し当日
■ 郵便受け、インターフォンなどの名前をはずす。
■ 荷物を全部運び出したら、掃除をする。大家とétat de lieuを行い、カギを引き渡す。
■ 電気、ガス、水栓を閉める。雨戸を閉める。
■ 引越し先のétat de lieuを行う
*引越し中の盗難にはくれぐれも注意!
荷物には必ず監視役を付けること。
*荷物の積み方:大型家具や家電製品はトラックの奥に置き、隙間をダンボール箱で埋める。本などの重いダンボールは下に、軽いものは上に。
引越し後
■ 新住所を証明する書類を持参して、mairieに行き、身分証明書(仏国籍の場合)、運転免許証、選挙人登録、carte grise(車両登録証)の住所変更手続きを行う(車両登録証はパリ市以外では県庁préfectureへ。住所変更は1カ月以内に行うこと)。
■ 引越し前の住所の税務署(centre des impôts)で住所変更手続き。その年の税金は前の税務署、翌年からの税金は引越し先の税務署の扱いとなる。
■ 1週間以内に滞在許可証の住所変更手続きを行う。
■ 日本領事館に住所変更を届ける。
*公共機関関係の住所変更については、www.changement-adresse.gouv.frで自動的にできるものもあるので、トライしてみよう。
*引越し業者を使って、家具が破損した場合は3日以内に賠償請求を行う。
その後
■ 引越しから2カ月後、賃貸契約の保証金を大家から受け取る。
■ 落ち着いたら引越しパーティーを!
新居を披露し、引越しを手伝ってくれた友人の労をねぎらおう。