タイを地中海風にローストしてみよう。 Daurade rotie à la provençale

 数あるタイの中でもdaurade royale(王様ダイ)と呼ばれるタイが、フランスでは一番おいしいとされている。地中海を中心に生息し、大きいものは全長60センチ、3キロほどになる。ウロコは銀色で、頬のところに金色の斑点、目と目の間にやはり金色の三日月形があるのですぐにわかる。最近魚屋に並ぶのは、500グラムくらいの小ぶりなもので、値段もキロ12ユーロ前後と安くなったが、残念ながら、養殖されたものがほとんどだ。これを4人分として2尾買い、フヌイユやトマトと一緒にローストし、地中海風の魚料理を楽しもう。タイの下ごしらえが面倒な人は「Grattez et videz svp!  ウロコとハラワタをとってください」と魚屋さんに頼む方がいい。
 タイは洗ってから、クッキングペーパーでよく水気を切っておく。深めの大皿に、オリーブ油大さじ6杯、レモン半個分の搾り汁、フェンネル(フヌイユ)シード大さじ2杯をとって混ぜ合わせ、タイをのせて何度かひっくり返してから、冷蔵庫に1時間ほど入れておく。途中でさらに二、三度ひっくり返すことを忘れないようにしたい。
 フヌイユは二つに割って、芯の固い部分を切り取ってから7ミリくらいの厚さに輪切り。ニンニクは二つに割って芯を取りのぞく。
 オーブンを200度から220度の目盛りに合わせて点火しておく。
 タイに、腹の中も含めて丹念に塩、コショウし、オーブン皿に置く。周りにフェンネルとトマトを置き、軽く、塩、コショウ。腹の中にも輪切りのフヌイユをいくつか入れておこう。全体にタイムの葉を振りかけたら、熱くなっているオーブンへ。時々、煮汁を上からかけてやったりしながら、30分も経てばきれいな焼き色がついてくる。ひっくり返してもう10分ほどの辛抱だ。
 熱くしておいた皿にフヌイユとトマトと、きれいに骨からはずしたタイの片身を置き、全体にさっとオリーブ油を振りかけ、レモンを搾りかけて食卓に。ワインは辛口の白でもいいけれど、きりっと冷やした南仏産のロゼはどうだろう。(真)

500g以上のタイ2尾。フヌイユ1個、小さめのトマト4個、ニンニク2片、レモン1個、フェンネルシード大さじ2杯、タイム少々、オリーブ油、塩、コショウ。


●養殖魚

 日本でも、ヒラメ、アジ、スズキ、マダイ、ブリ、ヒラメ、トラフグ…とさまざまな魚が養殖されている。フランスではどうなのかな? と行きつけの魚屋さんに聞いてみたら、「当然のことだけれど、養殖するだけの価値のある高級魚たちが養殖の対象になる。ほらそこに並んでいる、スズキ、ヒラメ、タイdaurade royaleなんかがそうさ。形がみんな揃っているし、天然ものに比べたら値段も3割安だろう。だから、あまり高くないレストランのメニューにもスズキやタイが顔を出すことになってきた。他にはもちろん以前からサケやマス、最近はマグロも地中海で養殖されている」
 こんなふうに養殖のおかげで高級魚たちが安くなってきたのはいいことだけれど、味はやはり天然ものには勝てない。スズキとかタイとか、栄養過多で脂肪分が多めで身にやや締まりがない。刺身にするよりはフランス風にタルタルにすることをおすすめしたい。

●タイのタルタル

 daurade royaleを1尾買って、三枚に下ろすけれど、面倒な人はやはり魚屋さんに頼むことにしよう。頭やアラを忘れずにもらってくること(あとで潮汁!)。中骨を毛抜きなどを使って慎重に取り除いてから、冷蔵庫に戻し冷たくしておく。
 エシャロット1個をできるだけ細かくみじん切りにする。ショウガとかバジリコとかアネットとかチャービルとかの好みのハーブやスパイスをおろしたり、みじんに切ったりする。冷蔵庫からタイのおろし身を取り出し、包丁で切るようにたたいて、エシャロット、ハーブ類をフォークを使って混ぜ入れ、塩、コショウで味を調える。これを冷たくしておいた皿にこんもりと盛り付け、脇に、みじんに切ったシブレットをのせたフレッシュチーズ、ルッコラ菜などのサラダを添えれば完成。これは、しばらく前に紹介したレストラン〈L’Ebauchoir〉で味わった一品を再現しようとしたもの。もちろん、タイのかわりに、サバやアジ、サケを使ってもおいしくできる。

 

 


 

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