所変われば鼻との付き合いも変わる。

 「クレオパトラの鼻がもっと低かったら、歴史は変わっていただろう」と書いたのはフランスの哲学者パスカルだが、人の鼻は古今東西を問わず美貌のキーポイントのようだ。そして、フランス人のほとんどが、自分の顔の中で1番キライな部分は「鼻」と答える。その理由はというと、フランス人の鼻は縦に長く大きいから。彼らの理想の鼻は、鼻頭から鼻先にかけての上向き角度が40度という。でも上向きすぎたり下向きすぎたりで、理想に近い鼻の人はとても少ない。これに比べ日本人の理想の角度は30度。日本人は一般的に顔が平らで鼻も低いと評されているが、これは欧米人に比べて鼻の付け根の部分が未発達で、正面から見た際、位置が低く短く見えるためといわれている。ところが、その未発達さがフランス人には興味深く魅力的に見えるのか、低くまん丸いダンゴ鼻などは、なんともつまんでみたくなる形だとか。
 フランス人と一緒にいて気になるのは、どこでもかしこでも、授業中であろうと地下鉄の中であろうと、所かまわず鼻をかむことだ。彼らは、鼻水をすすることが汚く、 鼻水が体内に逆流したら大変とばかりに、全身を振り絞って豪快に鼻をかむ。 しかもまだハンカチで鼻をかむ人たちもいる。もちろんティッシュで鼻をかむ人たちもいるが、共通しているのはティシュ派もハンカチ派も、使用後必ずポケットにすぐしまい、同じものを何度も使ったりすることだ。以前は、ハンカチ派が鼻をかむ前に、ポケットからハンカチを出して広げ、明るい方にかざしてきれいな所を探したりする姿を見かけたりした。そんな彼らには、日本人が鼻をすすって、人前で鼻をかむことを極力控えるマナーは理解不可能に違いない。
 先日フランス人と一緒に熱いラーメンを食べていて、少し鼻をすすったら、とっさにティッシュを差し出されてしまった。(有)