Arrasようこそ、
シュティの国アラスへ。
リールにほど近い北の町アラス。観光地として日本人にはなじみがないが、ノール・パ・ド・カレ地方で、最も美しい町の一つ。町の中心、エロ広場やグランドプラスへは駅からも近い。駅からのびる正面の大通りを、人の流れにのって歩くと、にぎやかな商店街に着く。土曜日ならこの辺りから朝市が広場まで続いているので、迷うことなく町の中心へたどり着けるはずだ。
広場に面した観光客向けの店は避けて、小道に面したレストラン〈La Table de Sabine〉でランチ。ドアを開けるといきなりトイレが正面にあってびっくりするが、地下は17世紀のアーチ天井の石造りの部屋で、地方名物も含む伝統的な料理が楽しめる。ホタテ貝のカソレットも絶品だったが、オリジナルのデザート Ch’tiramisu に1票入れたい。シナモン味のビスケット、スペキュロスで作ったティラミスは新しい発見の味だった。午後は観光局へ。ユネスコの世界遺産に指定された美しい鐘楼(火)を備えた市役所の建物の中に観光局があり、観光もここが中心となるからだ。40mの高さの鐘楼へは、観光局の地下からエレベーターと階段で。360度の素晴らしい眺めが望める。
市役所の鐘楼からのパノラマ。
地下の石切場見学も観光局の地下に集合し、グループで見学。もとは10世紀よりチョークを切り出した採石場で、時代につれ、ワインや農作物の貯蔵庫となり、第一次大戦では兵士らの待避壕にもなったそうだ。二つの広場をとりまく店をひやかしながら歩くと、土地の名産品の一つ、〈ル・ブルー〉という可憐な青い花を絵付けした磁器(金)を販売するブティック〈Au Bleu d’Arras〉を発見。小さな箱(6€)を自分へのおみやげに買う。二つの広場のあいだにあるビールの名店〈Le Ceilleur des Arcades〉では、プルコワ氏イチオシの、町から数キロ離れたところで作られている〈Page 24〉という地ビールのシコレとルバーブ味(各1.9€)を購入した。
プルコワ氏に教えてもらった雰囲気のいいビールバー〈Au Bureau〉で、生ビールで乾杯! 北の町の宵は始まったばかりだ。(里)
プルクワ氏が手にするのは〈Page 24〉。ルバーブ味は、想像していた酸味や甘味はなくナチュラルな味わいだった。
●北駅からTGVで50分。往復約60€。
SNCFのサイトの割引予約〈 Bons Plans du net〉を利用して2週間前くらいに予約すると片道15€から見つかる。
voyages-sncf.com
●観光局 : place des Héros 03.2151.2695 www.ot-arras.fr
– La montée au beffroi : 鐘楼への昇降。2.7€/1.8€。
– La visite guidée des Boves
ガイド付の地下石切場見学。約40分。4.7e/2.7e。
●La Table de Sabine : 16 rue Justice 03.2115.6110
日夜・昼休。 3皿コース25€。
●Au Bureau : 36 place des Héros 03.2123.7944
●Le Cellier des Arcades : 8bis rue de la Taillerie 03.2123.0928
火~土9h30-12h30/14h30-19h、日 9h45-12h30、 月15h-18h30。
●Au Bleu d’Arras : 32 place des Héros 03.2171.1788
文・写真:Postics、田中里絵、 谷口貴子、佐藤真