Troyes 市場と道具博物館に感激。
シャンパーニュ地方にあるトロワ市、最近は郊外にある工場直営販売センターの方が有名だが(458号で紹介)、少々時流からはずれたこの町の魅力も捨てがたい。パリ東駅発9時42分の列車に乗ると11時過ぎに着く。駅の脇にある観光局で地図をもらい、シャンペンの栓の形をした旧市街に入り、中央市場へ。
天井から光が差し込む市場は広々としている。八百屋には春に採れるモリーユ茸やアスパラガス…。チーズ屋でこの地方名産シャウルスをおみやげに買った。そしてお目当ての魚屋へ。その場でカキやハマグリをむいてもらったり、エビを盛ってもらったりして、通路を挟んだ向かいにあるナチュラルワイン専門店〈Aux crieurs de vin〉の名酒と共に味わうことができるのだ! さっそく昼ごはんの前菜がわりと、小さめのカキ12個(10€)を辛口で香り高いシャルドネーで(グラス2€)。隣の教会のミサが終わったのか急に混み始め、立ち飲み立ち食いする人が通路に溢れる。
ワインのことならアリックスさんが親切に答えてくれる。 トロワに住む友人のマルクを誘い出して、ブラッスリー〈Le Bistroquet〉へ。トロワ名物のアンドゥイエットもメニューにあるが、マルクのすすめで、スズキに骨の髄がついてくる一品をとった(19.9€)。皮ごとカリッと焼かれた白身魚ととろりとした髄の組み合わせにうなった。この界隈にはレストランが多いので、予算や好みで選択できるのがいい。 食後は、数ある教会の中から大聖堂のステンドグラスを見に出かけたり、運河沿いを散歩したり、木骨軸組の美しい家が並ぶ〈Ruelle des chats ネコの小道〉などの狭い通りに入り込んでいったりしたい。思わぬ発見が待ち構えているに違いない。博物館、美術館もいくつかあるが、絶対に欠かせないのが
〈Maison de l’Outil et de la pensée ouvrière〉。鉄柵、蹄鉄、家具、樽、車輪、左官、皮革、靴、手袋などの職人たちが17世紀から20世紀にかけて使ってきた道具数万点が、用途別、職業別に区分されて60以上のショーケースに吊されていて圧倒される。すり減った刃や木の握りを見つめていると、道具に込められた職人たちの心意気がひしひしと伝わってくるようだ。(真)
たまたま入った中庭で見つけた美しい木彫りの飾り。
●東駅から列車で約1時間20分。往復44.4 €。
●観光局 : 16 bd Carnot 03.2582.6270 www.ot-troyes.fr
●市場 Marché les Halles はRue de la Républiqueに面する。
木は12hまで、金土日は13h過ぎまで。
●Aux Crieurs de vin : 4 place Jean Jaurès 03.2540.0101
市場がない時はこの店へ。食事もできる。
●Le Bistroquet : 10 rue Louis Ulbach 03.2573.6565
アラカルトで30 ~40 e。
●Maison de l’Outil et de la pensée ouvrière : 7 rue de la Trinité
無休10h-18h。6.5 €/3 €/12 歳未満無料。
●Pascal Caffet : 2 rue de la Monnaie 03.2573.3573
名高いチョコレート屋。Cristallines de troyes他。