Bernard-Henri Levy– セゴレーヌへの思い入れたっぷりな評論家。

 白い開襟シャツに黒い上着、長髪をかき上げながら話すベルナール=アンリ・レヴィ(通称BHL。59歳)の姿が、最近テレビのトークショーをにぎわせている。10月に出版された『Ce grand cadavre à la renverse 仰向けのこの大きな死体』の宣伝が第一の目的だろうが、〈アルシュ・ド・ゾエ(ゾエの箱船)〉事件も、彼の好きなテーマに触れるだけにますます多弁。「私が20年来言い続けている、人道主義のわなの良い例だ。人道主義が、経験や能力不足で問題の核心がわからず、感情だけで行動する人たちの手にかかると、今度のようになってしまう。ツヴァイクが言うところの『危険な憐憫』だ」
 1948年アルジェリアに生まれる。父はアフリカから木材を輸入する会社の社長で大金持ち。息子のBHL自身、いくつかの会社の株主で私財約1億5000万ユーロといわれている。6歳の時からヌイイ・シュル・セーヌ市に住み、優秀な成績で高校を卒業し、1968年にエコール・ノルマル入学。デリダやアルチュセールの教えを受け、3年後に教授資格を取得する。1974年、ファッションモデルの最初の妻との間に一女誕生。1976年から、アンドレ・グルックスマンらと〈ヌーヴォー・フィロゾフ〉として論壇の先端に立ち、哲学書や社会評論など著書多数。1984年には『Le diable en tête』でメディシス賞。1997年には映画監督として、2度目の妻で女優のアリエル・ドンバルを主演させた『Le Jour et la nuit』を撮っている。こうした創作活動のかたわら、1981年にはパキスタン、1992年にはコソボ、と紛争の現場に出かけ、反共、反イスラム原理主義の色が濃い論陣を張る。
 政治的には社会党に近く、新著ではセゴレーヌ・ロワイヤル支持を明らかにしている。とはいえ、ホームレス問題、移民の国外退去、公務員のストライキなどがマスコミで話題になる時には、BHLはまったくの無関心。「通りで直面する貧困よりもボスニアの悲劇により興味を持ってしまいがち。社会問題にはちょっと疎いというのは本当だ」(真)

Dico
éléphant
(エレファン 男性名詞)

 今度の大統領選挙キャンペーン中、社会党のローラン・ファビウスやドミニック・ストロス=カーン、あるいはリオネル・ジョスパン各氏がマスコミに繰り返し登場した時に、フィガロ紙の見出しは “Le retour des éléphants fait sourire la droite(ゾウが戻ってきて右派はニッコリ)” だった。他にもピエール・モロワ氏、ジャック・ラング氏など社会党の重鎮たちのことを、重い体を持て余したのろい動きのゾウのイメージと重ね合わせて “les éléphants du PS” と呼んでいるからだ。この表現、1970年代に社会党内で、「新しい世代を抑えて過去の考えに執着する古参たち」といった軽蔑的な意味合いで使われていたが、現在はマスコミでも使われるほどに一般化した。(真)