ヴェリブの登場でパリの生活が変わってきている。


パリ観光にもヴェリブが活躍する。
 オランダから週末を利用し、観光にやって来たイングリッドさんとマルコさん。早速ヴェリブの一日パスを買って、仲良くパリを散策中だ。青空に美しく映えるノールダム大聖堂の前で自転車を停めた二人に、ヴェリブについて聞いてみた。
イングリッドさん「ヴェリブの存在は、パリに来てから初めて知ったの。あちこちでヴェリブの自転車がたくさん目についたからすぐに気がついたわ」
マルコさん「僕たちは有名な自転車大国のオランダから来たからね。家に4台あるくらい自転車が大好き。だからすぐにヴェリブに飛びついたよ!」
マ「ヴェリブを利用しようと思ったのはいいけれど、けっこう面倒だったよ。最初にポン・ヌフ付近で1台見つけたのはよかったけれど、もう1台の自転車を見つけて使えるまでに2時間もかかってしまった。機械もしょっちゅう故障していて…」
イ「乗ってしまえばとても楽しいわ。パリは思ったより起伏が少ないし、素敵な風景が楽しめるのはいいわ」
マ「空気汚染? 特に気にはならないけれどなあ… 」
イ「あなたは煙草を吸っているからよ(笑)。それより車が危ないわね。自転車の専用レーンもまだちゃんと整備されていない感じね。オランダはきちんと整
備されていて、ずっとずっと走りやすいわよ!」(瑞)

通勤時間が半分に短縮された。
 レピュブリック界隈にある出版社で働くDさんは、ヴェリブがスタートするやいなや、ヴェリブのホームページを通じて年間パスの申し込みをした。
「住んでいるところが19区のPlace des Fêtesで、レピュブリック近くの仕事場までヴェリブで一走りだと思ったので、すぐに登録。そのうえ、一年29ユーロで済むのだから、地下鉄に乗るよりずっと安くあがるしね。サイトがわかりやすくできていて手続きは簡単だったけれど、スタート当初ということもあって申込者が多すぎたのか、年間パスが届くまで3週間かかった。ずいぶん待ち遠しかったな」。仕事場までは、ベルヴィルの丘を一気に下るだけなので、7分で着くというが、帰りは登りなので息を切らしての平均17分だ。「通勤時間が半分くらいになるので、少しくらいの雨が降っていても行きはヴェリブだ。帰りはさすがに地下鉄にするけれどね」
「でもね」とDさんは渋い顔になった。「問題は、自宅の近くにパーキングが9カ所あるのに、朝は、どこも自転車ゼロという状態なんだ。やはり坂がかなり急だから、下るのはよくても、登るのは避ける人が多いからかな。きちんと均等に自転車が配付されるよう改善してほしいなあ。対策として、朝、家を出る前に、サイトにアクセスして近くのパーキングの自転車台数をチェックすることにしているけれど、数台残っていると出ていても、パーキングに着くとすでに全部貸し出された後だったりするからね」と言いながら、Dさんは、サイトで自宅近くのパーキングの自転車台数をチェック。午後5時だが、40台の収容能力があるパーキングなのに、やはりゼロ台!Dさんは肩をすくめた。「ひどい人は、夜、駐輪してある自転車に、翌朝自分が使えるようにと、盗難防止(付属している)の鍵をかけてしまう。そこまではできないからチェーンでもはずしておこうかな、という誘惑にかられることもあるよ」
ヴェリブを使い始めて1カ月以上経ったが、故障車に当たったことはないと言う。「乗る前に、パンクしていないか、変速ギアは順調に動くかはチェックするね。一度、変速ギアが〈高速〉でブロックしてしまい、坂を登るのに大汗をかいてしまった」 週末はほとんど使わないと言う。「3人の子供といっしょにパリ市内をサイクリングしたいけれど、ヴェリブの自転車は身長150センチ以上ないと無理だから、今のところ実現できないのが残念!」(真) 

 


通勤時間が半減したけれど、自宅の近くにパーキングが9カ所あるのに、朝は、どこも自転車ゼロという状態なんだ。
やはり坂がかなり急だから、下るのはよくても、登りは避ける人が多いからかな。

オヴニー編集部やエスパス・ジャポンがあるレピュブリック広場界隈のヴェリブのパーキング。
パリの他の地区もwww.velib.paris.frで。ロゴをクリックすると
そのパーキングに残っている自転車の台数がわかる。

寒くなって、「ヴェリブ難民」が溢れないといいけれど…。
9月のある晩、9区にあるワインバーで飲んでいたら、いつの間にか地下鉄の終電の時間が過ぎてしまった。タクシーを拾おうかなと歩いていたら、小さな通りにヴェリブのパーキング…自転車が満杯状態で並んでいる。「いいチャンス!」。ヴェリブを利用したいなあ、と常々思っていたけれど、手続きが難しそうで勇気が出なかったからだ。駐輪するために空きを待っている人が2、3人いて、一日パス購入や利用の仕方を親切に教えてもらった。12区まで気持ちのいいサイクリング。ふだんからマークしておいた自宅近くのパーキングへ。ところが3カ所回ったがどこも満杯!
30分の無料タイムが切れそうになったので、パーキングの画面をたたいて、15分の駐輪探し猶予時間をもらう。それからはもう真剣。ナシオン広場まで疾走し、辺りを探したが…満杯!
そしてどのパーキングにも空きを待つ「ヴェリブ難民」たちが2、3人はいて、同類相哀れみといった表情で肩をすくめる。酔いはさめるし腹が立ち、家まで自転車を持ち帰り、ヴェリブのサイトまで、長々と苦情のメールを送った。そのおかげか、後日、超過料金は引き落とされていなかったことがわかった。当たり前だけどね。
2度目は午後。日本からやってきた3人がヴェリブに乗りたいという。市庁舎前で4台借りてオデオンのパーキングまで。ところがみんなここで下車するのか満杯。4台1カ所は無理そうなので、二手に分かれ携帯で連絡をとりつつ、空き探しの20分を楽しんだ(!?)。
3度目は、用心して終電まで1時間という時間にレンタルして自宅まで。やっぱり3カ所とも満杯!
またまた15分の猶予をもらって、バスチーユの方に戻ったら、やはり「ヴェリブ難民」が溢れている。そっちへ行っても無理と手で合図してくれたり、という連帯感がちょっとうれしかった。ようやくワインバーの前のパーキングで空きを見つけ、地下鉄で帰宅。
寒くなると、満杯パーキングが増え、「ヴェリブ難民」の数も増えそうだ。(仙)
区域によるけれど、深夜、満杯のパーキングが多い。「ヴェリブ難民」も楽でない。

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