お直しの 仕事の世界に ドラマあり 

 パリのどの地区に住んでも、必ず目にする〈Retouches〉という看板。服のお直し屋さんだ。店を構えて20年、スカートやワンピースだけではなく、テーブルクロスやカーテンまでのオーダーメイドを手がけることもあるというルイザさんに、彼女自身が普段着ている服のことやお直しの仕事について尋ねてみた。
 「作業しやすい服が一番。気取っていたら、仕事がはかどらないわ」。土日の休みも、家事や買い物に追われるので、やっぱり着ていて楽な服がいいという。「親しい友人が衣料品店を営んでいて、服はよく買いに行くわ。服選びはまず素材重視、あとはデザインと縫製の丁寧さが決め手よ」。たまに時間がある時は自分用に服を作ることも。
 一番難しかったお直しはと尋ねたら、 「洋裁学校で3年間しっかり勉強したので、なんでもできるから難しいというものはないわ。でも細かい作業が必要で時間がかかるのが一番大変なことね」。「心に残るエピソードといえば、昔、演劇の衣装を、ある女優さんの体に合わせて仕立て直して欲しいと頼まれたの。シャープなイメージにしたいから、スカートのラインを物凄く細くして欲しいって。『そんなに細くしたら、舞台で歩けないわよ』って衣装係に言ったのに、それでもいいって。あとからその女優さんに『舞台でペンギン歩きしたのは初めてよ!』って言われて、想像して爆笑したわ」。「私がお直しした服を着てくれる人が忠実なお客さま」とルイズさん。(穂)
ルイザさんの店 S.O.S. Retouches :
31 rue Lamartine 9e
M。Notre-Dame de Lorette