「私たち女性は、沈黙、軽蔑、不公平、孤独、暴力に長い間耐えてきた。それは同時に闘いと、平等への渇望の歴史でもあった。私が女性だから私に投票してください、とあなた方に頼んでいるわけではないが、私は女性の一人。私と一緒に政治を変革しましょう。その変革はすぐそこにあり、政治は二度と同じものではなくなる。私たち女性の能力、実行力、人間としての器やスケールについて疑問を入り込ませてはいけない」 「女性の日」の前日に当たる3月7日、ディジョン市での社会党集会での、セゴレーヌ・ロワイヤル同党大統領候補の演説。 「少数の人たちの拒否によって民主主義が左右されてはならない。ブザンスノ氏やルペン氏が彼らの考えを主張できるために、私は闘いたい」 3月6日、サルコジUMP大統領候補は、立候補に必要な500人の後援署名(605号〈dico〉欄参照)を集めるのに苦戦している極左のブザンスノ氏と極右のルペン氏に救いの手。この発言の真意をめぐって同党内でも論議が盛ん。
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ドルドーニュ県で農業を営んでいたクロード・デュヴィオーは、2004年9月2日、季節労働者の雇用契約を調べに来た労働監視局員の二人を猟銃で射殺。その直後自殺未遂。3月5日からドルドーニュ県の重罪院で裁判が行われていたが、3月9日、デュヴィオーに懲役30年の判決が下る。裁判初日は、危険の多い労働条件を訴えて労働監視局員が裁判所前でデモを繰り広げた。 |
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●パリ市、〈自転車計画〉でJCデコーと契約 JCデコー社は3月1日、パリ市と自転車サービスの契約を正式に交わしたと発表した。2006年1月、同サービスの公募が行われ、一時は米クリア・チャネル社のオファーが有利とされ、仏JCデコー社が行政裁判所に入札方式の不備をめぐる訴えを起こして入札のやり直しとなった経緯がある。この〈自転車計画〉によって、パリ市内の1000カ所に市民が自由に使用できる自転車が8月15日までに1万4100台用意される。年末までに2万600台に増やし、パリの交通渋滞と大気汚染を軽減するのが目的だ。この契約によってデコー社は1428カ所の市広報板の管理権を維持する。 ●アブダビのルーヴル美術館、両国調印 ドヌデュー・ド・ヴァーブル文化相は3月6日、アラブ首長国連邦の首都アブダビに2012年開館予定の美術館にルーヴルの名を冠することや美術品の貸借を盛り込んだ2政府間の合意書に署名した。ル・モンド紙の報道によると、ルーヴルの名の30年間の貸与料に4億ユーロ、フランスの美術館の美術品賃貸料(期間10年間、1作品を2年間以上は貸さない)を加えると合計10億ユーロがフランス側に支払われる予定という。(605号参照) ●放射線治療事故の報告書公表 ヴォージュ県のエピナル病院で、2004年5月~2005年8月に起きた放射線治療事故問題で、社会問題監視総局は3月6日、調査報告書を公表。この事故は、前立腺がんの治療のために放射線照射を受けた患者23人が放射線を過剰に浴びたもので、2005年9月から1年間に4人が死亡し、10人が重篤な併発症を発症。報告書は、過剰照射はプログラムの設定ミスによって起き、病院側が事故の影響を過小評価したと非難。ベルトラン保健相は同病院の責任者に対する行政懲戒手続をとり、放射線治療師ら3人を一時的な停職処分にした。 |
●エアバス従業員、全国でデモ エアバス社が2月28日に発表した再建案を受けて、3月6日、本社や工場のあるトゥールーズで12000~15000人、メオルト(ソム県)、サンナゼール、ナントでも各1500~3000人の従業員や労組などが抗議デモを行った。再建案によると、4年間にフランスで4300、ドイツ3700、英国1600、スペイン400、合計1万の雇用削減、独の2工場と仏サンナゼール工場が閉鎖される。ドヴィルパン首相は国がエアバスへの増資や下請け会社への前払いを肩代わりする用意があると発言。また、ミディ・ピレネーなど8つの地域圏がドイツの州をならってエアバスに資本参加したい意向を示している。一方、エアバス社は9日、創業以来初めての赤字、5億7200万ユーロ(2006年)を計上したと発表した。 ●「第3の男」バイルー候補、勢いとまらず 2月後半から上昇機運のフランス民主連合(UDF)の大統領選候補バイルー氏は3月2日付ル・モンド紙掲載のインタビューで、大統領に選出されたら、左右を問わず有能な人物を集めて組閣し、連合組織を作って〈大統領多数派〉とし、6月の総選挙に臨むと発言。3月7日にル・パリジャン紙(CSA)が行った世論調査では、サルコジ候補26%(−3%)、ロワイヤル候補25%(−4%)に対抗する24%(+7)を得、三つどもえの様相になってきた。 ●安楽死に加担と2000人が署名 「私は薬を使って患者の安楽死を助けた」と宣言し、安楽死の合法化を求めるマニフェストへの医師・看護婦2000人の署名が、3月8日付のヌーヴェル・オプセルヴァトゥール誌とシュッド・ウエスト紙に掲載された。終末医療に関してはすでに2005年4月22日法で延命治療の停止が認められているが、マニフェストはそれを不十分とし、法改正を求めている。この問題に関する世論の関心が高まっていることで、大統領選各候補は安楽死に肯定的な意見を述べている。 |
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