熱して溶かしたチーズをゆでジャガやハムにかけて味わうサヴォワ地方などの名物料理がラクレット。最近は電熱によるラクレット用グリルが普及して、家庭
でもよく作られるようになった。このラクレットに使われるチーズもラクレットと呼ばれている。モルビエやカンタル同様に牛乳から作られる非加熱圧搾タイプ
で、直径30センチ前後、高さ7センチほどのかなり大型チーズ。好みの大きさに切り分けてもらって買ってくる。スーパーにはラクレット用グリルに合わせ
て、すでに薄く小さく切られたものも市販されている。
クリーム色の引き締まった身は、弾力があり、木の実を思わせるまろやかな風味で、そのまま食べてもおいしいが、グラタンやフォンデュなど、溶かして味わ
うとうまさが増す。ラクレット用グリルがない人は、写真のように、田舎パンにオリーブ油をひと刷毛塗ってから、トマトの薄切り、生ハムをのせ、さらに薄く
切ったラクレットをのせて、オーブンの上火できれいな焼き色をつける。(真)