10月24日ルーアンの重罪院で、半身麻痺で目の見えない寝たきりの娘(41)を絞殺した80歳の母親に執行猶予付懲役2年の刑が下った。娘を独りで世話してきた被告は「娘と私の苦しみを終らせたかった。(…)身障者とともに生きた者でなければその苦しみはわからないだろう」と証言している。これは、娘を受け入れる施設のなかったフランスの現状から生まれた悲劇の一端といえようか。![]() 2002年大統領再選でのシラク大統領の公約「ガン、交通安全、障害者対策」のうち最後の障害者対策は、05年2月11日法として06年1月に施行された。同法は心身障害者に一般市民同等の生活を営む権利を認めている。補償給付の他、個々の必要・適応性に沿い一貫した指導ができるように各県に「障害者センターMaison des personnes handicapees」設立、車椅子でアクセスできる交通機関・道路・建物の改造規定、目の不自由な人への盲導犬の割当てなどだが、他のEU諸国の障害者対策に追いつくにはまだ時間がかかりそう。 同法で特筆すべき点は、障害児の公立校への入学受入れの義務化。教育省によると、今年度公立校に入学した障害児・生徒は約15万人(小学校10万人、中高校4万7千人)、授業中の個別指導のために6千人余の補助教員を採用。そのほか7万人は特殊施設に通うが、4万人近くは家族が面倒をみている。自閉症児をもつ家族が、障害児の受入れ態勢が整っているベルギーに移住するケースも少なくない。 雇用法は、20人以上の公・民間企業に職員数6%の障害者の雇用を義務付けているが、それに従う企業はごく僅か(4%)。ほとんどは彼らを雇う代わりに障害者職業統合基金に分担金(1人につき時給8e×600時間)を毎年払い込んで済ましているようだ。車椅子の事務員や目の不自由な電話交換手がいないでもないが、まず公共機関が率先し彼らに職業、社会参加への道を開くべきなのでは。 学校や職場で障害者と共存することで、彼らに対する一般の偏見や見方も変わり、彼らの家族への連帯感も生まれ、それだけ社会が深まり豊かになるのではないだろうか。(君) |
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