ラマダーン真っ最中に、イスラームの人々に聞いてみた。

イスラーム食品店の菓子の甘さは半端じゃない。この秋、色とりどりのラマダーンのお菓子がいっせいに店先に山盛りになったのに気づいただろうか。イスラームにとってとても大事なラマダーン(断食月)が今年は9~10月だったのだ。今回の特集では、パリに根を下ろしたイスラームの人々の生活を、ラマダーンのまっただなかで取材してみた。
イスラームの信者はフランス国内で400万を超え、第二の宗教という。第一はカトリックだから、信仰の強さと密度で比べればトップではないだろうか。脱宗教化の進んだフランス社会と、敬虔なイスラームの人々の信仰心は対照的だ。そこには笑ってしまうような行き違いも、笑えない深刻な誤解もたくさんあるに違いない。イスラームの人々の多くは、もと植民地のアルジェリアや保護国だったマグレブ諸国出身だ。だから植民地支配と独立の厳しい歴史が、今も人々の記憶に生きてもいる。
ラマダーン? あまり関係ないというひともいたり、引退したらぜひ、マッカ(メッカ)に巡礼に! という信仰厚いひともいる。ひとりはベルヴィルで美容院を経営するメルザギさん。ひとりはNPOの貸しスタジオを運営するタハールさん。日本ではなじみの薄いイスラームの生活をちょっとだけのぞかせてもらった。(公)

パリ19区、タンジェ通り35番地のモスクは4カ月前にとりこわされ、今は更地。2000年にはパリ市長から建設許可が出ているので、間もなく再建されれば、パリ最大のモスクになる。

構成・文・写真:渡辺公三参考文献:
– イスラーム 社会生活・思想・歴史
小杉泰・江川ひかり編、新曜社、2006年
– Histoire de l’Islam et des musulmans en France,
Mohammed Arkoun, Albin Michel, 2006

 

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