身の中央に濃い灰色の線が走っているので一目でわかる、スイスも近いフランシュ・コンテ地方の山地で作られている牛乳チーズがモルビエ。直径40セン
チ、高さ8センチ、6キロから8キロほどの大きなチーズなので、好みの大きさに切り分けてもらって買ってくる。加熱せず圧搾してあるだけのクリーム色の身
は、弾力があり、木の実を思わせるまろやかな風味で、子供たちにも人気があるし、チーズ初心者にもおすすめだ。ピクニックの時など薄く切ってサンドイッチに挟んでもおいしいものだ。食べごろは、2、3カ月の熟成を終えた夏から冬にかけて。
このチーズは、この地方の名高いチーズ、コンテを作った後に残ったカイエ(凝乳)から作られ、次の残りを重ねる前に、虫が付かないように鍋底の煤を塗っ
たので、黒い線が走るようになった。現在では形を整えた後のチーズを二つに切り分けてから、植物から作られる炭を塗っている。
ワインは、ジュラ地方の上品でフルーティーな赤がいいだろう。(真)