夏スズキを焼いて、オリーブ風味のソースで。


Filets de bar a la creme d’olive

スズキbar(南仏プロヴァンス地方ではその荒々しい性格からオオカミloupと呼ばれている)は、締まった白身、繊細な風味、それに小骨も少ないから、フランス人も大好きな魚だ。魚屋には天然もの(キロ25ユーロ前後)と養殖もの(キロ15ユーロ)が並ぶが、天然ものの方が身もよく締まって香りもあってうまいけれど、財布と相談です。今回はうろこをとってから三枚に下ろして調理するけれど、大きめのスズキなら、一人当たりおろし身1枚でいいし、小さめなら一人2枚だ。

まずオリーブ風味のソースを用意しよう。鍋に生クリーム400ccをとり、種を抜いた緑色のオリーブを30粒から40粒加える。弱火にかけて2、3分沸騰させたら、一気にミキサーにかけてクリーム状にする。塩味はオリーブのそれで充分だけれど、たっぷりとコショウを挽き入れ、極上のオリーブ油も大さじ4杯ほど加え、もう一度ミキサーにかける。これをソース入れにとり、冷めないように湯せんしておこう。
スズキの両面に塩、コショウ。フライパンにたっぷりとオリーブ油をとって中火にかける。油が熱くなったら、スズキを皮が下になるようにして入れる。上からまだ柔らかくてみずみずしいタイムの葉を散らす。2、3分ほどで皮にきれいな焼き色がついたら、フライ返しを使ってひっくり返し、もう一度タイムの葉を散らす。焼きすぎないように気をつけたい。

ボクらが大好きなワインバー〈Autour d’unverre〉のケヴィン君のように、自家製の、ちょっと粒々が残っているくらいのマッシュポテトを敷いて、その上に焼き上がったスズキを皮が上になるよう置いて、ソースをかけ回せばでき上がりだ。ロケット菜や若いホウレンソウを、やはりオリーブ油ベースのドレッシングで和えたサラダを添えれば、みんなシャポー!

ワインはコット・ド・プロヴァンスのロゼでもいいし、マルセイユの隣町カシスの白でもいいけれど、どちらもきりっとよく冷やしておきたいものだ。(真)

スズキは2尾か4尾、タイム、オリーブ油、塩、コショウソース:緑オリーブ300g、生クリーム400cc、オリーブ油、コショウ

 

 


 

 

●〈オリーブ〉豆辞典

オリーブは中近東原産で、古代エジプト、古代ギリシャからその実と、その実からとれる油が貴重なものとされていた。エルサレムには幹の直径が2メートルを超える樹齢2000年近いオリーブの木があるという。古代ローマ帝国時代にオリーブの栽培が地中海沿岸一帯に広がった。

現在でも北アフリカ、ギリシャ、イタリア、スペインなど地中海沿岸が主な産地になっている。フランスでは、南仏のニヨン産やニース産、コルシカ産などが名高い。オリーブの実はその重さの40%が香り高い油で、オリーブの実の生産量の90%以上が、オリーブ油を搾り出すために使われている。

オリーブの実はそれだけでもおいしいおつまみ。摘んだ時の熟し度で、薄緑、濃緑、薄紫、濃紫、黒と色も様々。時々苦みもあったりするけれど、柔らかな風味。種を取り出したあとに、赤ピーマンやアンチョビーを詰めたものもおいしい。よく熟して真っ黒なオリーブは、塩味がきつめだったりする時もあるが、オリーブ好きの人が喜ぶようなしっかりとした風味がある。アラブの食材店には、緑や紫、黒のオリーブに、唐辛子ペーストを絡めたもの、ニンニク風味をつけたもの、エルブ・ド・プロヴァンス(タイムやローズマリーなど南仏のハーブを乾燥させてブレンドしたもの)の香りをつけたものなどが所狭しと並んでいて選ぶのに迷うくらいだ。

オリーブはそのままニース風サラダのようなミックスサラダに加えたりするだけでなく、南仏風魚料理のソースや肉料理のトマト風味の煮込みに加えることが多い。モロッコのタジンにも欠かせない。細かくきざんでからマッシュポテトに入れるのもおすすめだ。

 

 

●タプナード

パスティスなどのアペリティフにお供させたいのが南仏名物のペースト、タプナード。アンチョビー50グラムを冷水に漬けて塩出ししてからみじんに切る。種抜きの黒オリーブ200グラム、ニンニク2片もみじんに切っておく。以上をケイパー50グラムといっしょにすり鉢に入れてすり合わせる。面倒だったらミキサーにかけてもいい。これにオリーブ油約1カップとレモン1個の搾り汁を少しずつ加えながら、マヨネーズのごとく混ぜ合わせていく。好みでタイムやローリエ、コショウ、マール酒少々などで香りをつければでき上がり。トーストしたパンといっしょに食卓へ。(真)


 

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