Deux sur la balancoire

 プロのダンサーとしてなかなか芽の出ないクララと、妻と別れるためにニューヨークにやってきた弁護士ジェリー。大都会に生きる孤独な二人は恋に落ち、重い過去から逃れ新しい愛を育もうとするのだが…。
 この心理劇の作者はウィリアム・ギブソン。1958年1月にブロードウェイでアーサー・ペンの演出、アンヌ・バンクロフトとヘンリー・フォンダの主演で初演され、パリでも同年ルキノ・ヴィスコンティ演出、アニー・ジラルドとジャン・マレの主演で初演され、1963年にはロバート・ワイズ監督によって映画化もされている(邦題は『すれちがいの街角』)。
 過去のキャストと比べると、今回は意外というか、この重苦しい心理劇には似つかわしくないキャストというか…とにかく主演はアレクサンドラ・ラミーとジャン・デュジャルダンのコンビ。この二人が国営テレビ局France 2の8時のニュースの前に “Un gars une fille” というミニドラマで主演していたのを覚えている人ならば「えーっ!」というに違いない。しかもデュジャルダンは昨年大ヒットした『Brice de Nice』に主演、さらには今回の映画欄で取り上げた “OSS117” としてその二枚半目ぶりを発揮しているのだから、こんな深刻な戯作に主演するなんて本当に意外なのだ。
 で、観た後の感想は? 重苦しさは、ラミー&デュジャルダンが持つ喜劇性に助けられ少し軽くなってはいるけれど、話の本質は変わらないから、いつもの二人を想像するとがっかりすることは確か。デュジャルダンはこれが初の舞台というけれど、経験豊富なラミーに助けられながらなかなか余裕の好演を見せる。演出はベルナール・ミュラ、特徴はないけれど手堅い舞台を作る人です。はい。(海)

 火-土/21h、土マチネ/16h、日/15h30。 10
-50
Edouard VII : 10 place Edouard VII 9e
01.4742.5992

D A N C E
●Claude Brumachon “Ecorches vifs”
 2004年、パリのブールデル美術館、アヴィニョンのカルヴェ美術館でのダンスパフォーマンスの再演。 
 ブールデルの彫刻たちを取り囲む空気の中、ベートーヴェンの音楽と踊り手たちの身体の陰影の創り出す舞台空間は美術館の中をうつろい、時にそれを肌で感じるほどの近さまでに、観るものたちを誘う。そこに繰り広げられる、肉体のその強さと脆さのあらわれ、ある者は空間を切り裂くような激しさで、別の者は柔らかに静かにゆったりと空気を囲う。抽象的に洗練された表現は情感に富んで、ソロやデュオでの、9人の身体からの調べが、美術作品空間に絡んで進む、息使いや鼓動までも伝わる、皮膚感覚溢れる舞台の魅力は一般の劇場では味わえないもの。
 他にも、活躍中の美術作家を招き、その作品をブールデル作品と同空間に展示するなど、意欲的なブ−ルデル美術館に注目していきたい。(珠)
2~10日(7日、8日休演)/21h30
20
/13(60席限定、予約要)。
Musee Bourdelle : 18 rue Antoine Bourdelle
15e 01.4954.7392