アジアや東欧で鳥インフルエンザで死亡した家禽(かきん)や、それを処理する現場のリアルな映像が繰り返しテレビに流されたせいか、フランスの消費者もパニック状態に陥り、チキンを初めとするトリ肉の売り上げが20%から30%落ちてしまった。そんな苦しい状況に立たされている養鶏業者と鳥肉屋さんにインタビューし実状をたずねることにした(8頁)。
現在までにフランスで、家禽から鳥インフルエンザ・ウイルスH5N1が検出されたケースは、サルト県の七面鳥飼育農家1件のみで、現在フランスで市販されている家禽肉や卵は、厳重な検査を通っていて安全である。鳥インフルエンザが発見された国々からの家禽肉の輸入は禁止されている。これまでにH5N1に感染した人は、病気の鳥とひんぱんに接触していた場合に限られ、それも呼吸器官を通しての感染で、その肉を食べて感染したケースは皆無とされている。最悪の場合を考え、万が一感染した家禽の肉が出回ったとしても、70度の加熱でウイルスは死んでしまう。
こういった条件を考えれば、消化も良く栄養価も高い家禽肉を拒否する理由はなく、もりもり食べても大丈夫ということだ。そこで、オヴニーおすすめトリ肉レシピの数々を、9頁で取り上げた。
鳥インフルエンザで、2003年からこれまでに亡くなった人は、世界トータルで100人ちょっとだが、フランス人が大好きなチーズや肉に繁殖する、リステリオーズ菌やサルモネラ菌中毒でフランスだけでも毎年200人くらいが亡くなっているという。トリ肉が気になる人は、カマンベール、レアのステーキ、ソーシソンや生ハムを、真っ先にあきらめなくてはいけませんね。(真)
鳥インフルに負けずトリ肉をもりもり食べよう
構成・レシピ:佐藤真 文・写真:依田千穂、月野里子、松本清子