10月12日、サッカーのフランス代表はキプロスを破って、ようやく来年のW杯への切符を手に入れた。これでレイモン・ドメネク監督もほっと一息。選手の夢分析や星占いをやったり、マッサージ室での携帯電話の使用を禁止したりなど、これまでの監督とはかなり異質な指揮ぶり、思慮的な話しぶりなどが話題になる反面、フランス代表の成績がふるわず、辞任も時間の問題といわれていたドメネク監督だが、「サッカーも人生も同じ。精神力が不可欠だ」という路線はこれからも続きそうだ。 1952年リヨンで生まれる。父はフランコ独裁政権と闘ったカタロニア無政府主義者。そんな父の影響を受け、ドメネク監督自身、前回の大統領選挙ではトロツキストの候補に投票したという。趣味は演劇でベケットを愛し、自ら演じたりもする。何より大切にしていることは、フランス代表監督に任命された2004年7月11日に誕生した娘ヴィクトワール(勝利の意)と過ごす時間。その愛娘とよくモンパルナス墓地へ散歩に行く。「何か悩みごとがあると墓地に行く。気分が落ち着き、自分と距離を置いて考えることができるようになる」(真) |