鉄のゲージツとおいしい菓子&料理にうっとり。
旅の始点はスタニスラス広場から。絢爛豪華なロココ様式の装飾がなんとも贅沢だ。 ナンシーで見逃せないのは、ベルガモット風味の麦芽糖キャンディー〈ベルガモット・ド・ナンシー〉やマカロン、ミラベルのお菓子やリキュールだろう。街には多くの菓子店が溢れているが、多くは日曜休業なので、週末に訪れるならお土産は早めに手に入れるべし。常設マルシェを訪れた。新鮮な野菜や地元のチーズに心がときめくが、まだ旅ははじまったばかり。ミラベルのシャーベットだけ購入。1玉(1.5euros)を注文したのだが、親切なマダムはニコニコ顔でたっぷり2玉盛りつけてくれた。ナンシーの人は心が広い。夜は地元で評判のレストラン Le Primatialeへ。3品で22eurosのコースから、前菜に鶏レバーのフォンダン、メインにホロホロ鳥のロースト、ジロル茸添えを注文。フォンダンが絶品。テリヤキのような甘みのあるソースと滑らかに舌の上でとろけるレバーに夢心地。翌日は午前中の早いうちに行動を開始。Carmes通りのバス停から131番のバスで揺られること12分。郊外の鉄の歴史博物館Musee de l’histoire du
Ferへ。歴史博物館というだけあって、石器時代からの人類と道具の関わり方が学べるのだが、私の興味は練鉄の装飾だ。スタニスラス広場にあるような豪華なものから、一般的なものまで、幅広く見学できる。装飾以外にもなんと身近なところに鉄が使われていることか!帰りのバスの時間が近づいたのでバス停へ行くと、時刻表より4分も早くバスが! バスに乗るなら時間には余裕をもつことが大事だ。
市内に戻り、旧市街のロレーヌ地方博物館Bへ。考古学的な展示も興味深いが、特別展の「広場の敷石の下」は、スタニスラス広場の以前の様子や歴史などがわかりやすく展示されていて面白かった。
隣接する民俗・民芸博物館でも、生活に根ざした鉄の道具や装飾を見学したり、17世紀ころの民家を再現した展示も身近に感じられて充実感が得られた。 お昼まで少々時間があったのでペピニエ−ル庭園で休憩。偶然にもさきほどの博物館でスケッチを見学したばかりのまさに鉄の芸術のキオスク(東屋)を発見! その美しさにため息をつく。ふー。(月)