19世紀末、万博が彩るパリ。

日本で今年3月から愛知万博が開催されているが、かつてはここパリでも何度も万国博覧会が行われ、19世紀末にはその最盛期を迎えた。
19世紀前半に起こったヨーロッパでの産業革命。めまぐるしい速さで進歩する産業・建築技術や新たに開発された資材などの発表の場として、19世紀半ばから世界各地で博覧会が開催された。ヨーロッパでは1852年にロンドンで行われたのを皮切りに、首都以外の都市でも開催され、各国が競って博覧会に参加し、当時の最新技術を次々に披露した。
パリでも、さまざまな国際博覧会が開かれたが、万国博覧会Exposition universelleは1855年、1867年、1878年、1889年、1900年の5回。フランスの威厳を世界にアピールすること、また経済の活性化が狙いであった。
今回は、盛況を極めた1878年、1889年、1900年の万博という歴史の足跡をたどってみる。いつ散歩しても美しいパリの街。建造物の歴史や地下鉄の各駅の名前の由来などを調べるのも、パリ生活を楽しむ鍵となるのでは…。(穂)

構成・文:依田千穂

パリ万博に強くなろう

●Paris : Les Expositions Universelles de 1855 à 1937

19世紀後半の万博、1921年の仏植民地展、1937年の国際博覧会といった、パリを舞台にした国際的イベントの歴史をまとめた一冊。序文では、ヨーロッパにおける見本市の起源(西暦629年)とその発展ぶりが詳しく書かれている。本文では豊富なイラストや写真で、こうした国際的な博覧会がいかに重要だったかを知ることができる。そして万博の舞台裏や当時の生活・慣習が伝わってくるようなエピソードも盛り込まれている。
Les Presses Franciliennes 39euros。
●La Tour de Monsieur Eiffel

タイトルは『エッフェル塔』ではなく『エッフェル氏の塔』。1889年の万博のために建設された、当時の建築・産業技術からは想像もできなかった前代未聞の300mの塔。ギュスターヴ・エッフェルという人物が生き生きと浮かび上がってくる。
Découvertes Gallimard 13euros。

 

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