OVNI 566 : 2005/5/15

「いちばん奇妙なことは、押し込められた空間にだんだん慣れていってしまうことだ。それを自分のものにして、そこにできるだけ根づこうとするようになる」
昨年12月21日にイラクの武装集団から解放されたフランス人記者、クリスチャン・シェノとジョルジュ・マラブリュノが、共著で、”Memoires d’otage”(Calmann-Levy)という一冊を出した。その中の証言から。

「あまりにも疲れていて、申し訳ないが、喜びをどう表現していいのか分からない。自由なんだ。ようやく私は存在しているという気がする」
51日間におよぶハンガーストライキの末、5月6日、政府から滞在許可証を確約された12人の外国人の一人、カマル・ハラッシュさん。

5月29日に行われる欧州憲法条約批准の国民投票まであと3週間という時に、ようやくわが家にも、その条約の全文が郵送されてきた。開いてびっくり!
全191ページ、二段組で細かい活字がびっしりと並んでいる。
そして、なんといっても条約だから、その言葉づかいだって難解を極める。
これをきちんと読むフランス人が何パーセントいるのだろう?
議員さんたちが討論して採決すればよかったのにね、という人が多い。
1万500件
2004年度に届けられた強姦件数。成年の被害者は約4300人、未成年の被害者は約6200人。この8年間で75%増えたことになるが、泣き寝入りする被害者が減ってきたことも原因の一つ。イル・ド・フランス地方ではパリがトップで622件。

361トン
エアバス社の超大型機A380の総重量。今度の試験飛行は、これに燃料を搭載して約420トンだったが、時速300km以下で軽々と離陸した。

53人
国境なき記者団の発表によると、2003年に取材中に亡くなった記者は53人でこれまでの最多記録。取材活動のために投獄された記者は107人。いちばん危険だったのはやはりイラクでの取材活動で、19人が死亡、約15人が拉致された。4月末に行われた世論調査によると、フランス人の59%が、記者はイラクに出かけるべきでないと答えている。

●A380、初の試験飛行

 4月27日、エアバス社の超大型機A380が初の試験飛行を行った。4万人が見守る中、トゥールーズ・ブランヤック空港を10時29分に離陸し、約4時間あまりの飛行を終えて、14時23分無事に着陸。操縦にあたったジャック・ロゼー機長は「離陸の時がいちばん印象的だった。操縦も自転車に乗るのと同じくらいに簡単だ」と語った。これから2500時間あまりの試験飛行が繰り返される。
●モンシプールのパンチは強力
 4月29日、マルセイユで、WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦が行われた。チャンピオンのマヤル・モンシプール(イラン生まれのフランス人)は、挑戦者の仲里繁と対戦。最初から両者の激しいパンチの応酬が続いたが、2回以降モンシプールが優勢になり、6回に仲里選手の顔面に右フックを決めてTKO勝ち。王座防衛に成功した。
●ゴーン、ルノー社の最高経営責任者に就任
 カルロス・ゴーン日産自動車社長(51)は、日産建て直しの手腕が高く評価されて、4月29日、ルノー社株主総会で、社長に指名された。日産社長を兼任したまま、両社の提携をさらに強化する方針をとるものとみられている。ルノーは日産株44.4%を保有、日産はルノー株15%を保有。両社の従業員は合わせて約3万人。
●ハンガーストライキ中の12人に滞在許可
 滞在許可証を持たないまま長年ヤミ労働で生計を立ててきた外国人12人が、パリ3区にある労働組合会館で、3月中旬から51日間におよぶハンガーストライキを続けていた。5月6日、彼らの弁護士や人権擁護団体の仲介が効を奏し、政府は全員に滞在許可を与えることを決定した。
●サッカー、リヨン強し
 5月8日、サッカーのフランス選手権一次リーグで、ポール・ルグエン監督が率いるリヨン市のオランピック・リヨネが、アジャクシオを2-1で破り、残り3試合を待たずして4年連続の優勝を決めた。リヨンは同リーグの2日目から首位に立ち、20勝3敗12引き分け、得点差29と、他チームを寄せつけなかった。
●フランソワ・ピノー、スガン島を諦める
 ピノー・グループ(プランタン、ルドゥット…)の前社長で億万長者、2500点以上の現代美術の傑作の収集家としても知られるフランソワ・ピノー(69)は、オー・ド・セーヌ県ブローニュ・ビヤンクール市にある元ルノー工場の敷地跡に、現代美術センターを建設するための資金と展示作品を提供したいと表明し、建築家に安藤忠夫を選んでいた。ところが、5月9日、行政的な手続きが滞っていることを原因に、同センター建設を諦めたいと発表。寝耳に水のブローニュ・ビヤンクールのフルカード市長はその無責任ぶりを強く批判。