Asperges au parmesan
アスパラガスのシーズンになると、八百屋に行くたびに買ってしまう。ホワイトblanche、バイオレットviolette、グリーンverteと3種類あるけれど、ボクは、全体が明るい緑色をしているグリーンアスパラのファンだ。4人で旬の味をたっぷり楽しもうと思ったら、少なくとも2束は買ってきたい。今回はイタリア風にパルメザン風味を作ってみよう。
まずアスパラガスを塩ゆで。固い根もとを7センチほど切って長さを揃える。それでもまだ根の方の皮が固そうなら、ナイフで頭の方へとすっすっと皮をむくといいだろう。大鍋にたっぷり水をはって火にかける。沸騰してきたら塩を大さじ2、3杯加える。アスパラガスを静かに入れ、ふたたび沸騰してきたら火を弱くして8分ほどゆでたい。歯ごたえが残るようにゆであげることが肝心だ。
即座にざるにとり、緑が鮮やかになるように、氷を入れた水で急速に冷やすようにする。冷めたらざるにとり、クッキングペーパーの上に広げるように並べて水気を切っておく。ここまでを1、2時間ほど前にやっておくと、あとが楽になる。
みんなが食卓に着いたというところで、フライパンにオリーブ油を大さじ2、3杯とって熱くし(好みではバターと半々にしてもいい)、アスパラガスを加える。油をからめるようにしながら2、3分炒めたい。控えめに塩、コショウ。これを熱くしておいた大皿に盛りつけ、その上からパルメザンをおろしつつ振りかけて食卓へ。パルメザンは食べる直前におろした方が、風味が失われない。
春から初夏にかけての素敵な前菜だ。子牛料理などの付け合わせにするのもおいしい。ワインはむずかしいところだが、シャルドネー種の白ワインはどうだろう。
ゆでたてをすぐに味わいたいという人は、バターを小鍋で溶かし、レモン汁、塩、コショウで味を調えたソースがいい。(真)
アスパラガス約500グラム、オリーブ油大さじ2杯(あるいはオリーブ油大さじ1杯+バター大さじ1杯)パルメザン60グラム、塩、コショウ
●アスパラガス asperge
アスパラガスは、土から掘りおこされた太くて全体が白いものblanche、数センチ顔を出したところで収穫された先が紫がかったものviolette、先が20センチくらい伸びてから収穫された緑色のものverteと3種類ある。フランス人は、値段は張るけれど柔らかな風味を持っている白を好むけれど、アスパラガスらしい風味を満喫できるのはやはりグリーンアスパラ。いずれにせよ、全体がみずみずしくふくらんでいて、穂先が欠けたりぐんなりしていないものを選びたい。
●アスパラガスのグラタン
白でもグリーンでも、自分の好みのアスパラガスを少なくとも1キロ買ってくる。左のレシピのごとく塩ゆでにするのだが、10分くらいゆでて、もう少し柔らかめにした方がグラタンにはいいだろう。水気を切ってからクッキングペーパーの上に並べておく。
このへんでオーブンの上火に点火しておく。
オーブン皿にバターを塗って、アスパラガスを並べる。ボールに卵の黄身2個と液状の生クリーム200ccをとり、泡立て器でよく混ぜ合わせ、アスパラガスの上からかけ回す。おろしチーズをたっぷり振りかけ、バターの小さな塊をちょんちょんといくつか置いてから、熱くなっているオーブンの上段に入れる。2、3分で表面にきれいな焼き色が付いたらでき上がりだ。香ばしいチーズの香りとアスパラガスのうま味がひとつになったおいしさに舌鼓。
●アスパラガス用のソース
少し冷めてきたアスパラガスを手でつまんでビネグレットソースをつけながら食べるのもおいしい。粒入りのマスタードを液状の生クリームで溶いて軽く塩をし、レモン汁あるいはビネガーの酸味をきかせたソースも好評だ。アスパラガスはすじがあって食べにくいから、手でつまんで食べてもよいことになっている。
●アスパラガス専用鍋
アスパラガスは、頭の方はゆで時間が短くこわれやすいということを考慮に入れた、円筒形の専用鍋がある。鍋に水を入れて火にかけ、沸騰してきたら塩を加え、アスパラガスを頭が熱湯から出るようにして入れる。再沸騰したところでふたをしてゆでていくと、頭はちょうどいい具合にこわれることなく蒸し上がる、という仕組みだ。この鍋なしでアスパラガスを丸ごとゆでたい時は、頭を上にして結わえ、最初は根の方をゆで、しばらくしたら、頭も熱湯がかぶるように横にして、ゆであげることにしよう。(真)