ノルマンディー地方で古くから作られているリヴァロは、ウォッシュタイプの代表的なチーズだ。直径11センチ、高さ5センチほどの中型のチーズで、形が くずれないように以前はレッシュと呼ばれるスゲの葉が数枚巻いてあったものだが、最近はその多くが朱やグリーンの紙テープになってしまったのは残念だ。 熟成が進んでいないものは弾力がありクリーミーな味わいで、チーズぎらいの人にも食べやすい。それが3カ月も熟成されると、表面がすべすべと光るように なってきて、くさやを思わせるような匂いが立ち上る。舌にまといつくような、まろやかでこくのある味は通好み。一度18区にあるワインバー〈aux Négociants〉で食べたリヴァロの味がまだ忘れられない。ワインはマディランやミネルヴォワあるいはコット・デュ・ローヌのようなこくのある銘酒 がほしい。ノルマンディー地方の人は農家製のシードルやカルヴァドスを飲みながら味わったりする。(真) |