ゲマール経済相の法外なアパルトマン騒動。

 2月16日付けのカナール・アンシェネ週刊紙が大スクープ。昨年11月に就任したエルヴェ・ゲマール経済相(44)が2月1日に入居したアパルトマンは、なんとシャンゼリゼ界隈の2層式住居600m2、 家賃1万4000ユーロ (約195万円)。それに改装費、3台分の駐車場なども入れると約8万5000ユーロを国家が支払っていたという。いくら国が高級官僚の住居を保障し、子供が8人いるからといっても常識外れ。赤字財政対策に取り組む経済相の姿勢と反し、農業相から一足飛びに経済相の座をものにした成り上がり大臣の奢りととられても仕方ないだろう。
 マスコミに対しゲマール経済相は、「週120時間働いてるので住居については事務官に任せっきりで入居するまで家賃は知らなかった」「靴屋の息子に生まれ質素な暮らし。でなかったら自分のアパルトマンも持てるし、このような問題も起きてなかったはず」等々の言い逃れに追い討ちをかけるように各紙とも、ゲマール氏所有のブルターニュの別荘やサヴォアの叔母から譲り受けた土地付きの農家風別荘、そしてパリはサンミッシェル街に200m2のアパルトマンを所有し、家賃2300ユーロでやはり子供が8人いる知人家族に貸しているなど、ゲマール氏の幾重もの虚言の皮を一枚一枚はがしていく。
 「金がない」というゲマール氏だが、奥さんのクララさんも高級官僚で国際投資局局長として欧米をまたにかけて活躍しており、それぞれ年俸14万ユーロ。敬虔なカトリック信者で子だくさん、絵に描いたようなエリートカップルとして政界でも際立つ。
 当初軽く見ていたラファラン首相は大火になる前にと、官舎規定を発表。今後夫婦は80m2、子供1人につき20m2。したがってゲマール一家に必要な面積は240m2となるわけだ。シラク大統領は、家賃云々でつるし上げられた忠臣の下手な逃げ口上に腹を立てたのか2月25日、ゲマール氏に即時辞任命令を下す。同氏は、サルコジUMP(民衆運動連合)総裁・前経済相の与党内縄張り拡張を阻むためのシラク大統領の最後の切り札だっただけに、大統領はこのデュプレックス騒動で顔に泥を塗られたよう。
 後任にブルトン・フランステレコム総裁。
同総裁は大手企業の財政立直しの手腕家、「業界のゾロ」の異名をもつ。昨年11月にも経済相の座を勧められたが、彼の年俸90万ユーロに対し大臣の報酬は年14万ユーロ。差がありすぎるといって断っている。おクニのタメ、6分の1の年俸ではたしてがまんしてくれるかどうか。(君)

otage
(オタージュ
男性名詞)
 ”otage” は、たとえば最近ではイラクでのフロランス・オブナス特派員のように、拉致されて監禁されている人、あるいは何かを要求するかたとして捕えられている人質のこと。「奪う」という意味の動詞 “oter” からきている男性名詞。拉致者は “ravisseur”、彼らの要求は “revendication”、身のしろ金は “rançon” という。

 人質救出には、拉致者たちに何らかの影響力を持っている人たちが間に入って調停を行うケースが多いが、こうした調停者は “médiateur” と呼ばれている。幸いに調停が功を奏して救出されたシェノ記者やマラブリュノ記者などは “ex-otage(元人質)” となる。(真)