オレンジ色が鮮やかなミモレットといえばもともとはオランダ産だけれど、20世紀になってからフランスのフランドル地方でも作られるようになった。非加熱プレスタイプの牛乳チーズ。直径20センチ、高さ18センチのほとんどボール状だから、Boule de
Lilleとも呼ばれる。6カ月から18カ月と熟成期間もさまざまなミモレットが売られている。若いチーズは、キューブ状に切ったりしてオードブルにする
のもいい。しかし、1年以上熟成されて “mimolette vieille”
と呼ばれるようになったもののうまさは格別だ。薄く切ってゆっくり噛みしめていると、極上のパルメザンにも負けない微妙なうま味が口の中に広がっていく。
ちょっとウニの風味にも似ている。
ワインは、シノンとかブルグイユのようなフルーティーな赤がいい。アペリチフとして出すのなら、ポルト酒やシェリー酒をお供させたい。ベルギー産の、アルコール度が強くこくのあるビールも合う。(真)