エイのヒレには、バターの香りがほしい。 Raie au beurre noisette

 〈エイのヒレ、焦がしバター添え〉は、ノルマンディーやブルターニュ地方名物の代表的な魚料理で、パリのレストランのメニューにもよく載っている。小骨がなく、ヒレの真ん中にすぐにはずせる軟骨があるだけだから、子供たちにも食べやすく評判がいい。最近、読者の方からリクエストがあったので、作り方を復習です。
 4人分としてエイのヒレを約1キロ(3、4枚)買ってくる。ヒレが大きかったら二つに切り分ける。
 まずこのヒレをゆでるためのクール・ブイヨンを用意し(右欄参照)、しっかりと冷ましておくことが大切だ。大きな鍋にヒレを並べ、クール・ブイヨンを静かに注ぐ。鍋を中火にかけ、沸騰しかけたら、弱火に落とし、ヒレの厚さによるが6分から8分、火を通す。煮すぎるとぱさぱさになるので気をつけよう。
 その間にバターを焦がすことにする。小鍋に4人分としてバターを100グラムとる。無塩だったら塩も加え、コショウを挽き入れる。以前はau beurre noirといっていたように、かなり濃いめの色になるまでバターを焦がしたものだが、最近は健康志向で、あまり焦がさないau beurre noisette(ハシバミの殻の色)。軽く色がついてきたなあ、というところでケッパーを大さじ1杯加え、火から下ろす。
 ゆであがったエイのヒレを、フライ返しを使って慎重に取り出し、クッキングペーパーの上に置く。両面についているネバネバっとした皮をナイフを使って取りのぞき、熱くしておいた皿に盛り付ける。その上にレモンを絞りかけ、きざんだパセリをたっぷりと散らす。付け合わせはゆでたジャガイモでキマリ。熱々を食べましょう。少々もったりとしたエイに、焦がしバターの香りがぴったりのうまさ。
 ワインは、ブルゴーニュのアリゴテのようなコッテリとした辛口の白がいい。(真)


エイのヒレ約1キロ、バター100g、ケッパー、レモン、パセリ、塩、コショウ

クール・ブイヨン用:
白ワイン250cc、ニンジン1本、タマネギ1個、ブーケ・ガルニ、塩、コショウ


●court-bouillon
 フランス料理では、魚介類をクール・ブイヨンというダシでゆで上げてから、さまざまなソースで食べることが多い。
 水1リットル、辛口の白ワイン250cc、薄く切ったニンジン1本とタマネギ1個、ブーケ・ガルニ(タイム+ローリエ+パセリ+セロリ)、塩大さじ1杯を大鍋にとって、コショウをたっぷり挽き入れ、弱火でコトコト30分ほど沸騰させる。材料それぞれの風味をたっぷり引き出したい。これを完全に冷ましてから、魚介類に注いでゆでていく。

●beurre noisette
 beurre noisetteは、エイだけでなく、やはりクール・ブイヨンで煮た子牛の胸腺や魚の白子、あるいはポーチドエッグなどにかけるとうまいものだ。ゆでアスパラガスにもこの香りがよく合う。

●beurre 
 バターといえば、古くからノルマンディー地方のものが名高かったが、19世紀末からはシャラント地方でもすぐれたバターが作られるようになる。beurre fermierは農家で生乳から作られる最高級品だが、量が限られている。冷蔵庫で1週間くらいしか保存できない。一般的なのは、工場で、低温殺菌された牛乳から作られるbeurre pasteurisé。この高級品には、牛乳の産地がはっきりと明記されている。冷蔵庫で1カ月近く保存できる。beurre demi-selは、バターに2%ほどの塩を加えた有塩バター。ブルターニュ名物のクッキーなどに欠かせないだけでなく、魚介料理にも独特の風味を加えてくれる。
 チーズ屋では、大きな塊で計り売りされているバターbeurre en motteもある。
●ケッパー cèpres
 ケッパーは、地中海沿岸に自生する灌木のツボミ。酢漬けにされたものが小瓶に詰められて市販されている。ツボミが締まっているものを選びたい。タルタルステーキや魚介類のサラダにも散らしたい。ピザにばらまくのもうまい。マヨネーズに混ぜ込んで、ゆで卵といっしょに食べてもいい。缶詰のホワイトツナをよくほぐし、みじんに切った玉ネギと黒オリーブを入れ、ヨーグルトをつなぎにし、塩、コショウ、そしてケッパーを好みの量だけ加えて混ぜ合わせれば、おいしいサンドイッチの中身。

 

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