●欧州憲法批准は国民投票で 7月14日、エリゼ宮でシラク大統領は記者会見。サルコジ経済相との関係については、「私が決断し、彼がそれを実行する」と前置きした上で、経済相と民衆運動連合(UMP)総裁兼任は不可能であるとし、経済相の野心にストップをかけた。欧州連合憲法の批准に関しては、国民投票を来年下半期に実施したいと表明。 ●本当の被害者はだれ? マリー=レオニー・ルブランさん(23)は、7月9日午前9時半ごろ、RER D線ルーヴル駅で同時に乗り込んできたマグレブ系、アフリカ系の若者6人に、Tシャツを切り裂かれて腹部にフェルトペンでかぎ十字を記され、髪の毛を切られた、そして他の乗客は誰も助けてくれなかった、と警察に届け出た。翌日、シラク大統領は「この憎むべき行為は厳罰に処されなければならない」と声明。各マスコミも一斉に、反ユダヤ主義的犯罪の増加および一般市民の無関心に警告を発した。ところが、その後も一人も証人が現れず、犯人たちが下車したというサルセル駅の監視ビデオにも彼らの姿がなく、疑問が深まった。4日後、「被害者」は、すべてがでっち上げであったことを自供し、7月17日には大統領らに謝罪したが、犯人扱いにした若者たちに謝る姿勢ゼロ。7月18日、1942年のパリでのユダヤ人一斉検挙を記念する式典で、ナチス強制収容所に送られた経験を持つシモーヌ・ヴェイユは「アラブとアフリカの若者たちが、またもや烙印を押されてしまった」と演説。7月26日、ポントワーズ軽罪裁判所はルブランに執行猶予付き禁固4カ月の判決。 |
「すべてのユダヤ人にイスラエルへ移住することを呼びかけたい。特にフランスのユダヤ人には差し迫ったことで、すぐに行動に移るべきだ。 フランスの人口の10%が回教徒であるということは、新しい形の反ユダヤ主義を形成する土壌になっている」 7月19日、エルサレムでシャロン首相。 この発言にフランスの各政党は強く抗議。「シャロン氏に釈明を求めたい。釈明がない限り、今のところ未定だが、シャロン氏の来仏は考えられない」とシラク大統領筋。ドブレ国民議会議長も「無責任で許しがたい発言だ。フランスに対する敵意に満ちている」 |
第91回ツール・ド・フランスも、米国のランス・アームストロング選手が圧倒的な強さを見せて、史上初の6連覇。今年のヒーローの一人は、ピレネーの難所でもがんばり、10日間マイヨ・ジョーヌをキープしたフランスのトマ・ヴォクレール選手(25)。
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●35時間法骨抜きに? 7月19日、家電の大手〈ボッシュ〉のヴェニシュ−工場で、賃上げなしで週35時間から週36時間労働に移行することに賛成かどうかの従業員投票が行われた。全820人のうち20%が棄権したが、70%が賛成票、2%が反対票を投じた。会社側は、同工場に新たに1200万Eを投資し、チェコ共和国への工場移転を断念することを確約している。政府は超過勤務を大幅に認めるなどしながら、1998年に左派政権が成立させた35時間法を緩和する方針だが、民間側が政府の意向を先取りする形となった。 ●オオカミと羊飼い アルプスには40頭近いオオカミが棲息し、放牧中の羊の群れを襲うケースが急増している(昨年は508件)。7月18日もアルプ・ド・オート・プロヴァンス県で、襲撃を逃れようとした羊140頭が、がけ下に落ちて死亡。羊飼いの間で不満の声が高まり、7月19日、ルペルティエ環境相は、襲撃が繰り返される場合、国立公園監視員が4頭までオオカミを撃ち殺すことを許可すると発表。 ●セルジュ・レジアニ亡くなる 俳優としても歌手としてもフランス人から愛されてきたセルジュ・レジアニが、23日未明、心不全のためパリの自宅で亡くなった。82歳。俳優としては、シモーヌ・シニョレと共演したジャック・ベッケル監督の『肉体の冠』(1952)などが忘れられない名作だ。歌手としては『マ・リベルテ』、『脱走兵』などのヒット曲。 |
41% リベラシオン紙などが7月16日、17日に実施した世論調査によると、7月14日の記者会見でのサルコジ経済相批判がたたってか、シラク大統領の支持率は、6月より4%落ちて41%に。ラファラン首相の支持率も3%落ちて29%に。 94件 / 77件 140億ユーロ |