Aloo Gobi
ロンドン郊外、インド人一家の次女がサッカーのプロ選手を目指す『ベッカムに恋して』という痛快な映画があった。その DVDのボーナスでは、チャーダ監督自身が、後ろに控えたお母さんとおばさんのきびしい視線を浴びながら、ジャガイモalooとカリフラワーgobiのカレーの作り方を披露。
まず材料全部を下準備しておく方がいい。ジャガイモは中4、5個、皮をむいてから7ミリくらいの厚さに輪切り。カリフラワーは、ちょっと大きめに、大きさが揃うように切り分ける。タマネギ中2個はみじん切り。緑の唐辛子2、3本は種をとってから小口切り。親指大のショウガは皮をむいてからみじん切り。コリアンダー1把の茎は細かくきざみ、葉の方は粗くきざむ。缶詰のトマトもみじんにきざんでおく。
フタのできる中華鍋か大きなフライパンに油を大さじ4杯とる。タマネギと粒状のクミン大さじ1杯を入れ、中火でしばらく炒める。タマネギが透き通ってきたら、キュルキュマcurcuma(ターメリック)とパプリカをどちらも小さじ1杯、それにコリアンダーの茎を加えて、しばらく火を通す。唐辛子、トマト、ショウガ、塩およそ大さじ半杯も加えて、混ぜ合わせる。
ここで、ジャガイモとカリフラワーを混ぜ入れる。水も大さじ4、5杯加え、全体を混ぜ合わせたらフタをし、弱火にして20分ほど蒸し煮していく。途中で何度か、くっつかないように全体を混ぜ合わせたい。水を少々足してもいいが、水っぽくなったら「まず~い!」とチャーダ監督。
ガラムマサラを大さじ半杯ほど混ぜ入れ、コリアンダーの葉を半分上にのせ、フタをして火から下ろす。香りがジャガイモとカリフラワーにしみ入るように、このまま数分置いておく。
もう一度全体を混ぜ合わせ、残りのコリアンダーの葉を散らせばインド料理店に負けない風味。「Very very good!」(真)
カリフラワー1玉、ジャガイモ中5、6個、タマネギ中2個、約400g入りのトマト缶詰、緑の唐辛子3本、ショウガ親指大、コリアンダー1把、粒状のキュルキュマ、パプリカ、ガラムマサラ、塩、植物油
●ガラムマサラ Garam Masala
インド、特に北インドの料理に欠かせないブレンドスパイス。コリアンダー、クミン、唐辛子、ナツメグ、カルダモン、丁字、コショウ、ウイキョウ、ローリエなどが入っている。インド料理だけでなく、グラッシュなどの煮込み料理の隠し味にちょっと入れてもいいし、ヨーグルトに混ぜ入れて、キュウリのサラダのドレッシングにするのもうまい。インドの食料品店で売っている。100gで1euro未満。
●Curcuma
キュルキュマ(ターメリック、うこん)は、インド産、ショウガ科の多年生植物で、その根茎を粉末にしたもの。カレーやイギリスマスタードの黄色は、このキュルキュマのおかげ。染料としても使われている。これを「サフラン」と呼ぶ人もいるが、色はオレンジがかっていないし、もちろんホンモノの香りはない。
●Tomates entieres pelees au jus
このホールタイプのトマト缶詰は本当に便利。最近のトマトは、ブルターニュやオランダからの温室栽培ものが多く、トマトならではの香りと甘みに欠けている。そんなトマトを使ってトマトソースを作ってもたいしたものはできない。いっそ、この缶詰のトマトの方がおいしくできる。
フライパンにたっぷりオリーブ油をとって、みじんに切ったタマネギをニンニクといっしょにしばらく炒める。ここへ缶詰のトマトを1缶あるいは2缶入れ、塩、コショウ。砂糖もちょっぴり加える。さまざまな好みのハーブもきかせ、フタをして煮込んでゆくだけだ。半分の量ほどに煮詰まったら味を調える。
●O U T I L|Rape
フランスでも、チーズ用、ナツメグ用などとさまざまなおろし金がある。ふつういちばんよく使われているのが、このタイプ。底が四角になっているので、すわりがよく、力がかかっておろしやすい。また、おろした材料が散らばらずに中にたまるようになっているので、便利。各面のおろしも、目がそれぞれ違っているので、材料や料理によって使い分けができる。ステンレス製で10euros前後。使い終わったら、目が詰まったりしないように、すぐに洗うこと。