室内ゲームのエキスポ「Jeux sur Je」
(alex/訳:瑞)
会社に向かう地下鉄の中、ラ・ヴィレットで開催中の室内ゲームに関するエキスポ「Jeux sur Je」のポスターが目に飛び込んできた。複雑な方法で配置されたいくつものキューブが、人の顔を浮かび上がらせている(写真)。「例えば、僕は目の不自由な人にこのイメージがどのようなものか正確に説明することができるだろうか?」こんな問いを発するところから、もうゲームの気分は始まっている。このエキスポの特徴は何か。もしあなた自身が遊ばなければ、エキスポそのものが存在しない、つまりプレーヤーそのものが展示物となるのだ。15のテーブルには、歴史的、美術的といった側面ではなく、ゲームがプレーヤーに要求する能力という側面(例えば「発想力」「伝達力」「時間管理力」など)で選ばれたゲームが集まる。あなたはすばらしい創造力に恵まれていても、伝達力には長けていないかもしれない。戦略をたてるのがうまくても、瞬発力は劣るかもしれない。だから、そこに集まるゲームがすべて得意な人、もしくは苦手な人というのはいないわけで、それがゲームの持つ奥深さにつながっているのだろう。またこのエキスポには、博物館学芸員、職業訓練官、企業の面接官、ゲームのクリエーターなど多方面の分野のスペシャリストが集まり助言がなされた。“ゲームにはルールや慣用に支配された社会や人間行動の縮図がある”との考えが基礎にあるのだ。とは言ってもゲームを実際に体験しているうちに、何よりもまず自然と僕たちの子供時代(思い出そう、遊びが嫌いな子供は存在しない)に想いをはせることになるだろう。このエキスポで久々にゲームを楽しんだ僕は、「大人は十分に遊ばないから、そのせいでちょっと馬鹿になってしまうんだろうな」と、思うに至った。
このエキスポで体験できるゲームをいくつか紹介しよう。
ゲームにはフランス語、英語、スペイン語の説明が付くが、他の人がプレーしているのを見ているだけでルールがわかるものも多い。
GRUYERE (グリュイエール)
グリュイエールチーズのように表面にたくさん穴が開いた壁にボールをつたわせ、穴に落ちないようゴールまでひもで移動させる。二人で協力して操作するのだが、お互いに話してはいけない。パートナーのちょっとした動きで起こる軽い緊張感を常に感じながら、ほとんど本能的にするべき動作を決めていかねばならない。
VISIONARY(ヴィジィオナリー)
目を隠したプレーヤーは、パートナーの指示を頼りに、形の違う様々なブロックを積み重ねながら、割り当てられた目標のイメージ(例えば“魚”や“船”の形など)を手探りで構成しなければならない。集中力が必要なので、イライラしている時やビールを飲んだ後は避けた方がよい。
AMNESIA(アムネジィア)
それぞれのプレーヤーには、一人ずつ有名人の名前が与えられるが、自分には誰が与えられているのかわからない。その誰かを探るために、答えを知っている回りの人に質問をし、「Oui」か「Non」で答えてもらう。それを繰り返しているうちにヒントがふえる。そして自分が誰であるかを一番早くつきとめられた人
が勝ちとなる。
「私は男です」「Non」「私は女優です」「Oui」「私はアメリカ人です」「Oui」「私は生きています」「Non」「私はグラマーです」「Oui」……、「マリリン・モンローだ!」●La Cite des Sciences et de l’Industrie.「Jeux sur Je」
30 av. Corentin-Cariou 19e
Tel : 01.4005.8000
www.cite-sciences.fr
2004年1月4日まで開催
火〜土 10h〜18h 日 10h〜19h 月休
大人7.50euros 割引料金 5.50euros
7歳以下は無料
●パリで室内ゲームを買うなら
Jeux Descartes :
52 rue des Ecoles 5e
Tel : 01.4326.7983また、ラ・ヴィレット科学産業シティの入り口にある玩具屋La Grande Rereeや、同館内の売店でもゲームが豊富に見つかります。