コルス島の暑すぎる夏。

 7月2日、5年前(98/2/6)のエリニャック官選知事暗殺事件容疑者8人の公判開始。4日、同知事の射殺者とみられ99年5月以来姿をくらまし、南コルス(コルシカ)の羊小屋で寝起きしていた逃亡者イヴァン・コロナが捜査隊に逮捕され、潜伏中の彼を助けた友人ら数人が共犯容疑で捕った。部族的つながりが深く連帯意識の強い島民らは、羊飼いコロナの逮捕に愕然。 
 その2日後の6日、コルスの行政組織を単純化(1975年以来の2県制を廃し単一の地方自治体に統一)するための島民投票(投票率60%)で、50.98%が “ノン” と現状維持を表明。この島民投票に、政治家としての将来を賭けたサルコジ内相の野心も、地方分権政策の第一弾としてこの投票に勇んだラファラン首相の大意もポシャる。
 そして11日、同暗殺事件の判決が下った。逮捕されたばかりの射殺容疑者コロナを別個に扱うとして、”匿名グループ”をなす被告8人のうち2人に首謀者として無期懲役、他の2人はインテリ策謀者として懲役30年、事件当日の見張り番に懲役25年、犯行に使った車の運転手に懲役20年、容疑者らを自宅に泊めた友人に懲役20年、犯行には加わらなかったが暗殺準備会に参加した活動家に禁固15年刑。これらの重刑(被告のほとんどが上告)には、彼らが94~97年に島内の公官庁建物や警察署に犯した爆弾テロ容疑も含まれているとはいえ、民族・独立運動派はこの異例の重刑を「国家の復讐」とみなし、今まで以上に激しいテロで応えることも辞さない意向を表明している。
 島民投票に話をもどそう。今回の投票はもともとはジョスパン前政権が約束したもので、コルス独立運動派もそれに同意した。彼らには、それに賛成投票することによって、徐々に独立への道を…という計算があったようだ。保守系島民は、独立派とともに賛成票を投じることを拒否し、現状維持を選んだのでは。
 が、サルコジ内相が仕掛けた島民投票はなんと矛盾していたことか。首相は地方分権化の第1号として「島の自立を」と、大統領は「コルスとフランス共和国の連携のために」と賛成投票を呼びかけた。”ウイ”は島の独立を目指すことなのか、仏共和国に直属することを意味するのか島民は戸惑うばかり。そして賛成派が勝てば、2県が1県になり、当然南のアジャクシオが県庁になり北のバスティアは郡庁になり、県会議員や公務員も半減 ?
 労働力人口の3人に1人は公務員という島の中で、6月に全国を揺るがした公務員年金制度改革案反対運動がいかにコルスで激しかったか想像できよう。コルス島への植民地的お仕着せのサルコジ流合理化構想も元の木阿弥に。
 そして政府に同調し投票者からしっぺ返しを食らったナショナリストらの敗北感、同志らへの重刑判決、コロナの逮捕と、三重の屈辱感に苛まれる島の第2政党Corsica Nazione党議員たち。彼らは非合法組織Indipendenzaの活動家たちとの断絶を恐れてか7月17日、同党議員8人が地方議会から退席し、来年3月の地方選挙まで欠席すると宣言。切り札を出し尽くしたナショナリストたちの破れかぶれのテロ再開ムードが支配している。(君)

コルス(コルシカ)島人口

26万人 全人口
12万人 南部
14万人 北部
9万3000人 労働力人口
11.9% 失業率
(Quid 2002)


 

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